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北村聡と八木勇樹による激しい一騎打ちが繰り広げられた2008年大会の男子1区=加古川河川敷
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北村聡と八木勇樹による激しい一騎打ちが繰り広げられた2008年大会の男子1区=加古川河川敷
2014年の男子1区で28分51秒の区間新記録をマークし、拳を突き上げて2区へつなぐ中谷圭佑=加古川河川敷
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2014年の男子1区で28分51秒の区間新記録をマークし、拳を突き上げて2区へつなぐ中谷圭佑=加古川河川敷
2019年大会の男子1区で区間賞を獲得した坂東悠汰(中央)=加古川河川敷
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2019年大会の男子1区で区間賞を獲得した坂東悠汰(中央)=加古川河川敷
2012年大会の女子1区で先頭集団を引っ張る竹地志帆(中央)=加古川河川敷
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2012年大会の女子1区で先頭集団を引っ張る竹地志帆(中央)=加古川河川敷
2019年大会の女子1区で飛び出す田中希実=加古川河川敷
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2019年大会の女子1区で飛び出す田中希実=加古川河川敷

 2月6日に兵庫県加古川市の加古川河川敷マラソンコースで予定されていた県郡市区対抗駅伝(神戸新聞社後援)は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い昨年に続いて中止になった。世代を超え、地域を代表する長距離選手がたすきをつなぐ駅伝王国・兵庫の名物レース。中でも強力なランナーがそろう男女の1区(男子10キロ、女子6キロ)は「兵庫のエース決定戦」とも言えるほど高いレベルを誇る。そんな兵庫の陸上ファンが心待ちにする大会が2年連続で見られないとは…。落ち込む気持ちを奮い立たせ、加古川河川敷マラソンコースに移った2008年以降の13大会で男女1区の名勝負を振り返ってみた。(所属などは当時)

◇…男子…◇

 〈2014年〉男子1区の名勝負といえば、2014年だろう。駒大1年の中谷圭佑(赤穂郡)が圧巻の走りを見せた。西脇工高の先輩で明大の山田速人(加古川市)、日清食品グループの高瀬無量(川辺郡、市尼崎高-山梨学院大出)らと高速レースを展開し、28分51秒の区間新記録をマーク。2位山田も28分54秒、3位高瀬も29分5秒と僅差で続き、4位以下とは30秒以上の大差がついた。これまでに28分台に突入したのは中谷と山田だけ。ハイレベルで見応えのあるレースだった。

     ◆

 〈2008年〉1989(平成元)年から19年続いた加西市を離れ、加古川河川敷に会場が移った2008年。西脇工高の新旧エースが激突した。日体大の北村聡(高砂市)は豊富な経験を生かしてペースを上げ下げし、揺さぶりをかけるが、4年後輩の八木勇樹(神戸市垂水区)が果敢に食らいつく。1月の全国都道府県対抗男子駅伝では1区八木、アンカー北村で兵庫の3位に貢献した2人。残り500メートルで八木が先にスパートを仕掛けたが、最後は先輩の意地が勝った。北村は29分13秒でトップ中継し、八木は3秒遅れの2位。3位の走者が中継したのは八木から27秒後だった。一騎打ちには惜しくも敗れたものの、八木の奮走で神戸市垂水区は7年ぶりの総合優勝を飾った。

     ◆

 〈2019年〉加古川河川敷コースの男子1区で29分30秒以内のタイムをマークしたのは13大会で延べ29人。うち、約3分の1となる9人が名を連ねたのが2019年大会だ。法大4年の坂東悠汰(洲本市、津名高出)が29分2秒で区間賞を獲得。その2年半後、坂東は5000メートルで東京五輪出場を果たした。

 渋い存在感を発揮したのが「ふるさと選手」制度で出場した大阪府警のメンバーだ。永信明人(三木市、西脇工高-神奈川大出)が29分9秒で2位、米田大輝(尼崎市、報徳高-大経大出)が29分21秒で6位、谷原先嘉(川西市、市尼崎高-山梨学院大出)が29分27秒で8位、源康介(三田市、三田学園高-立命大出)が29分46秒で13位と社会人の貫禄を示した。昨年の関西実業団駅伝では1区永信が区間賞で発進すると、後半の5~7区で谷原、源、米田が粘り抜き、5位に入って6年ぶりの全日本実業団駅伝出場権を手にした。

◇…女子…◇

 〈2012年〉加古川河川敷コースの女子1区で19分台をマークしたのは13大会で延べ16人。歴代1位と2位、4位タイと圧倒的な力で「郡市区駅伝の顔」と呼べるのが、仏教大時代の竹地志帆(淡路市、須磨友が丘高出)だ。中でも屈指のハイレベルな争いが見られたのは2012年大会。スタート直後から軽快に流れに乗った竹地が19分26秒でトップ中継すると、13秒差で立命大の池田睦美(神戸市垂水区、須磨学園高出)、さらに1秒差で松山大の高柳恵(加古川市、姫路商高出)と大学生が勢いよく飛び込んできた。

 続いて西脇工高の清政愛理(加古郡)が29分43秒でリレー。2区福田有以、5区横江里沙の須磨学園高コンビと清政は稲美北中時代に全国中学校駅伝優勝に貢献し、今度は2部エントリーながら加古郡初の兵庫県郡市区対抗駅伝総合優勝を勝ち取った。

     ◆

 〈2020年〉2012年と同じく5人が19分台をマークしたのが2020年。福岡・筑紫女学園高の永長里緒(神戸市西区、神戸市立伊川谷中出)が19分51秒で区間賞を獲得すると、宝塚高の中本香(宝塚市)ら4人が19分58秒までに中継した。前年の1区で19分30秒をマークし、2位に54秒もの大差をつけた田中希実(小野市)はこの年、2区(4・0975キロ)に登場。12分43秒で5位から首位に浮上し、1年半後には東京五輪1500メートル8位入賞へと飛躍する。

【兵庫県郡市区対抗駅伝】 1947(昭和22)年に開かれた男子の第1回大会は上郡町から神戸市の兵庫県庁前までの92・65キロを10区間でつないだ。1986(昭和61)年には女子の第1回大会が行われ、本来なら今年で男子第76回、女子第37回のレースを迎えるはずだった。現在は男子が7区間42・195キロ、女子が5区間21・0975キロ。男子は1区から順に10キロ▽6キロ▽3キロ▽8・195キロ▽6キロ▽3キロ▽6キロ、女子は1区から順に6キロ▽4・0975キロ▽3キロ▽3キロ▽5キロで、男女ともに3キロ区間は中学生が担う。フル参加なら神戸市を除く28市と神戸市内の9区、そして8郡の計45チームが火花を散らす。男女ともに前回大会の総合1~10位が1部▽同11~20位が2部▽同21~30位が3部▽同31位以下が4部でエントリー。翌年は各部で優勝や区間賞を争う。

■兵庫県郡市区対抗駅伝、男子1区(10キロ)歴代ランキング

※29分30秒以内/加古川河川敷コースになった2008年以降

 (1)28・51 中谷圭佑(赤穂郡/駒大)14年 1位

 (2)28・54 山田速人(加古川市/明大)14年 2位

 (3)29・00 三浦拓朗(姫路市/中大)20年 1位

 (4)29・02 坂東悠汰(洲本市/法大)19年 1位

 (5)29・05 高瀬無量(川辺郡/日清食品グループ)14年 3位

 (6)29・07 有馬圭哉(加古郡/中央学院大)20年 2位

 (7)29・09 永信明人(三木市/大阪府警)19年 2位

 (8)29・10 今井崇人(宝塚市/立命大)19年 3位

 (9)29・13 北村聡(高砂市/日体大)08年 1位

 (9)29・13 岩見秀哉(神崎郡/青学大)20年 3位

(11)29・14 村本一樹(姫路市/兵庫県立大)16年 1位

(12)29・15 石原翔太郎(たつの市/岡山・倉敷高)20年 4位

(13)29・16 八木勇樹(神戸市垂水区/西脇工高)08年 2位

(14)29・17 伊藤和麻(伊丹市/住友電工)15年 1位

(14)29・17 中島怜利(姫路市/東海大)19年 4位

(16)29・19 平井健太郎(宝塚市/京大)15年 2位

(16)29・19 矢野郁人(神戸市垂水区/中大)19年 5位

(18)29・21 篠藤淳(神戸市垂水区/山陽特殊製鋼)13年 1位

(18)29・21 米田大輝(尼崎市/大阪府警)19年 6位

(20)29・22 中川剛(豊岡市/NTT西日本)19年 7位

(21)29・23 村上優輝(神戸市北区/中央学院大)15年 3位

(22)29・25 酒井亮太(神戸市北区/駒大)20年 5位

(23)29・27 坂東悠汰(洲本市/法大)17年 1位

(23)29・27 野中優志(川西市/関学大)17年 2位

(23)29・27 谷原先嘉(川西市/大阪府警)19年 8位

(26)29・28 久門大輔(三田市/鳥取陸協)13年 2位

(26)29・28 藤村行央(伊丹市/住友電工)19年 9位

(28)29・29 延藤潤(三木市/東洋大)13年 3位

(29)29・30 益田賢太朗(高砂市/NTT西日本)13年 4位

■兵庫県郡市区対抗駅伝、女子1区(6キロ)歴代ランキング

※19分台/加古川河川敷コースになった2008年以降

 (1)19・26 竹地志帆(淡路市/仏教大)12年 1位

 (2)19・27 竹地志帆(淡路市/仏教大)10年 1位

 (3)19・30 田中希実(小野市/ND28AC)19年 1位

 (4)19・39 池田睦美(神戸市垂水区/立命大)12年 2位

 (4)19・39 竹地志帆(淡路市/仏教大)13年 1位

 (6)19・40 高柳恵(加古川市/松山大)12年 3位

 (7)19・43 清政愛理(加古郡/西脇工高)12年 4位

 (8)19・51 永長里緒(神戸市西区/福岡・筑紫女学園高)20年 1位

 (9)19・52 籔下明音(加古川市/立命大)11年 1位

(10)19・53 中本香(宝塚市/宝塚高)20年 2位

(11)19・55 大貫真実(三木市/兵庫大)12年 5位

(11)19・55 坂本茉矢(加古川市/シスメックス)20年 3位

(13)19・57 中田美保(西宮市/県西宮高)13年 2位

(13)19・57 中田美優(三木市/立命大)20年 4位

(15)19・58 芝本涼花(小野市/仏教大)20年 5位

(16)19・59 林田みさき(姫路市/姫路商高)14年 1位

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