蛇行運転の車、声掛け止める 意識障害の男性救助 中学教諭にのじぎく賞
2021/02/11 05:30
救助した男性の状況を説明する萩原朋洋さん=神戸市西区竜が岡1
兵庫県警神戸西署は10日、車を運転中、意識障害になった男性を救助した玉津中学校教諭の萩原朋洋さん(32)=神戸市西区=に県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。萩原さんは帰宅中、蛇行する車を見て不審に思い、走って追い掛けて止めたという。
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萩原さんは1月26日午後9時40分ごろ、西区竜が岡1の市道を車で走っていた際、ワゴン車が交差点の中央で縁石に乗り上げて止まっているのを目撃。しばらくすると、ワゴン車は少しバックし、対向車線にはみ出して低速で進み始めた。
飲酒運転かと思った萩原さんは事故になる前に車を止めようと、近くのガソリンスタンドに車を駐車し、走って追い掛けた。約20メートルで追い付くと、運転席の窓をたたいて「大丈夫ですか!」と呼び掛けた。男性は窓を開け、「道に迷った。ここはどこかいな」ともうろうとしていたが、酒は飲んでいない様子だった。
聞けば、男性の住所は明石市。萩原さんは「だいぶ北まで来ましたね」と言葉を掛けて男性を安心させつつ、運転を代わり、再びガソリンスタンドへ。段差も分からないほど、足元が見えなくなっていた男性に「お仕事帰りですか」と話し掛けながら付き添い、警察官に引き継いだ。
男性はその後、低血糖障害だと分かって入院。大事に至らなかったという。
この日、城垣敦夫署長(58)は「第三者との事故につながる危険を防いでくれた」と的確な判断をたたえた。萩原さんは「日頃から生徒に人助けの大切さを教えている。実践できてよかった」とほほえんだ。(伊田雄馬)