詰め替えパックを分別回収、おもちゃに再生へ 神戸市が技術開発目指し実験

2021/07/04 05:30

神戸市などが回収を呼び掛ける詰め替えパック=神戸市中央区雲井通6

 洗剤やシャンプーなどの詰め替えパックを分別回収する実験が、ダイエー神戸三宮店(神戸市中央区雲井通6)とコープリビング甲南(同市東灘区甲南町2)で始まった。プラスチックの削減に貢献する「詰め替え文化」は世界的にも珍しいとされるが、パックのリサイクルが難しいという課題があり、技術開発に役立てる。(長谷部崇) 関連ニュース 使用済みの紙おむつ、回収実施へ P&Gジャパン CO2排出量を半減 神戸市が再生素材のごみ袋を限定販売 中核市で最後、西宮市ようやく指定ごみ袋導入へ これまで真っ黒の袋で分別も未徹底

 対象は、衣料用の液体洗剤や柔軟剤、漂白剤、食器用洗剤、シャンプー、リンス、ハンドソープなどの使用済み詰め替えパック。両店の1階に回収ボックスを設置する。
 詰め替えパックは、ボトルやチューブに比べてプラスチック使用量を7、8割削減でき、現在は洗剤類の商品全体の8割を占める。ただ、ポリエチレンなど複数の素材を何層も重ね合わせて作っているため、リサイクルが難しい。
 神戸市は「容器包装プラスチック」のごみ区分で収集しているが、リサイクル業者の選別ではじかれ、大半が焼却されているという。
 実験は、市がダイエーと生活協同組合コープこうべに呼び掛けて実施する。回収後はメーカーに引き渡し、積み木のように遊ぶブロックに再生するほか、詰め替えパックを再生産する「水平リサイクル」の技術革新に役立てる。
 ダイエー神戸三宮店の井ノ元直樹店長(59)は「身近なリサイクルの問題に関心を持ってもらいたい」と話した。市は今後、参加店舗を増やしていきたい考えという。
 使用済みの詰め替えパックの上部をカットして、水を入れて2回すすぎ、乾かした後、回収ボックスに持参する。メーカーは問わない。ボトルやチューブ、カップ類、トレー、紙製品などは回収できない。

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