「自分にとっても集大成」高校時代から二人三脚の横山コーチ 五輪・重量挙げ八木かなえ選手に帯同

2021/07/24 05:30

重量挙げ女子55キロ級に出場する八木かなえ選手を指導してきた横山信仁コーチ=神戸市垂水区海岸通

 東京五輪の重量挙げ女子55キロ級に出場する八木かなえ選手(29)=ALSOK、須磨友が丘高校出身=は、神戸市垂水区在住の横山信仁コーチ(72)と二人三脚で歩んできた。八木選手にとって3度目の大舞台は26日。日本代表コーチとして帯同する横山さんは、「かなえが、いつもの笑顔になれるように」と全力で支えている。(金山成美) 関連ニュース 重量挙げ・八木かなえ 階級変更、相次ぐけが…3度目大舞台「自分との闘い」 八木かなえが3大会連続五輪代表に 重量挙げ55キロ級 三宅宏実「あとは出し切るだけ」 重量挙げ49キロ級、最終調整

 師弟関係は、八木選手が2008年に高校に入学してから始まった。中学時代まで体操に打ち込み、バランス感覚は抜群。高校のウエイトリフティング部の監督だった横山さんは「体幹が強く、スクワットがきれい」と素質に一目ぼれした。1996年アトランタ五輪男子代表の納富俊行さん(50)を育てるなど、定評のあった指導力で1年生のうちに全国優勝に導いた。
 八木選手が金沢学院大学に進学すると、横山さんも単身赴任で同行し、大学のコーチとなった。大学2年だった2012年のロンドン五輪は女子53キロ級で12位。社会人になると八木選手は練習メニューは自分で考え、横山さんが要所でアドバイスするようになった。
 16年の前回リオデジャネイロ五輪は6位入賞を果たしたが、記録は自己ベストに及ばなかった。日本にいた横山さんは、八木選手からのメールでの入賞報告に「お疲れさま。一からやり直しましょう」と返信し、引き続き指導に当たってきた。
 横山さんには娘が2人おり、八木選手のことは「三女みたい。存在が生きがい」と目を細める。家の中には家族と同じように写真を飾っている。
 「自分にとっても、(東京五輪は)指導者としての集大成。普段通り、リラックスして臨めるように務めを果たしたい」と、教え子の勇姿を一番近くで見守る。

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