新長田のダイエー閉店「撤退するなんて残念」 後継店決まらず不安も
2021/11/06 05:30
撤退するダイエーグルメシティ新長田店が入る「アスタくにづか3番館」=神戸市長田区久保町5
前身店舗を含め、12月末で60年の歴史に幕を閉じることが決まったダイエーグルメシティ新長田店(神戸市長田区久保町5)。買い物客や近隣の商店主からは、12月末での閉店を惜しむ声が相次ぐ半面、後継テナントが決まっていないことを危惧する関係者もおり、複雑な感情が交錯した。
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買い物に訪れた近くの主婦(72)は、40年以上同店を利用しているといい、閉店を店頭の掲示で知り「ショックが大きい」と嘆いた。30年ほど前から週5日ほど利用するという主婦(55)も「震災前はいつも大にぎわい。利用者が減っていたが、撤退するなんて」と残念がった。
同じフロアにある前田味噌食品の店主前田正司さん(88)は、「活性化を一緒に担った戦友を失うようで寂しい」と、長年の地域への貢献をねぎらった。
一方で、核テナントが撤退する「アスタくにづか3番館」の今後を不安視する声も。食材を扱う男性店主(48)は「感覚だが、3番館のダイエー利用者は7割。僕らの商売に大きな影響があるので早く新店舗を決めてほしい」と訴えた。
ダイエーと同じ地下フロアにある守(もり)食品店の店主守通正(もりみちまさ)さん(43)は、「地下の店が繁盛するのは難しい。テナントに左右されない商売の仕方を考えていかないといけない」と話していた。(斎藤 誉、藤井伸哉)