王子動物園の夜桜通り抜け存続へ 一帯の整備素案について説明 神戸市
2021/12/01 05:30
王子動物園の春の風物詩「夜桜通り抜け」=2019年3月、灘区王子町3
神戸市は30日の市会委員会で、王子動物園(同市灘区)を含む王子公園一帯の再整備基本方針の素案について説明した。大規模な改装が予定される動物園ゾーンでは、名所として知られる桜の一部を撤去する可能性に言及したが、20年以上前から続くライトアップのイベント「夜桜通り抜け」は存続させる方向という。
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この日の建設防災委員会で、市は動物園について、設備が老朽化する遊園地の廃止や動物の展示スペース再編、立体駐車場を設置する計画を説明。リニューアルを進める中で桜が支障になる上、老木の一部撤去や移植が必要になるとの認識を示した。市建設局幹部は「残せるものは残したい」と述べた。
1998年から続く同園の夜桜通り抜けは、3月下旬~4月上旬にソメイヨシノ約480本を照らす恒例行事。新型コロナ禍で昨年と今年は中止した。同園幹部は取材に対し、「王子動物園の名物。規模が変わっても続けたい」とした。
また、王子公園の再整備素案ではプールやテニスコートなどをなくす方針を明記。同日の総務財政委員会では、複数の議員から「市民に親しまれる施設を廃止にするのはどうか」「代替施設が近くにあるとは言えない」などの意見が出た。
市は「各施設の老朽化が顕著で、利用状況なども踏まえ、阪急王子公園駅前の土地を有効に活用するため(プールなどを)廃止することを素案とした。今後、指摘などを整理して、各局と協議を進める」とした。
市は12月10日から来年1月17日まで、王子公園の再整備素案に対する市民意見を募集する予定。(初鹿野俊、三島大一郎)