<まちをあるけば>壁に浮かぶ影絵 震災の記憶伝え 東灘・御影塚町の酒蔵

2022/05/07 05:20

震災復興の願いが込められた影のアート=神戸市東灘区御影塚町1、神戸酒心館

 昼すぎ、取材の帰り道。神戸酒心館(神戸市東灘区御影塚町1)の白い壁面に、何やら細長い複数の突起物を見つけた。 関連ニュース 阪神本線、全33駅にエレベーター 最後の住吉駅でバリアフリー化 新たな改札口を設置、多機能トイレも 神戸・布引ハーブ園に「癒しの森」誕生 8月31日までの期間限定 植物とランプで幻想的に 国際学術組織「ドコモモ」、神戸港・Q2上屋を選定建築物に 戦前の姿とどめ、近代化物語る施設と評価

 何かの目印? その場は正体が分からぬまま。ところが数日後、夜に通ると、同じ壁面に光を包み込むような両手の影絵が浮かんでいた。あの突起物はアートの仕掛けだったのか。
 同社の会長によると、作者はイタリアの現代美術家で、2001年に設置された。作品名は「神戸のかがやき」。希望の光を包み込む両手に、神戸の震災からの復興と繁栄の願いが込められたという。
 神戸の酒蔵も震災で被害を受けた。「通りがかった時、支え合った復興を感じてもらう瞬間になれば」。影絵には会長の思いも重なる。(赤松沙和)
【2018年2月7日掲載】

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