核の恐怖、芝居で伝える 井上ひさしさん戯曲「父と暮せば」 劇団どろが新長田で上演

2022/05/24 05:30

「父と暮せば」の稽古風景=神戸市長田区二葉町5

 原爆をテーマにした故・井上ひさしさんの傑作戯曲「父と暮せば」を、神戸の劇団どろが28、29日、神戸市長田区二葉町5の新長田小劇場で上演する。 関連ニュース 阪神本線、全33駅にエレベーター 最後の住吉駅でバリアフリー化 新たな改札口を設置、多機能トイレも 神戸・布引ハーブ園に「癒しの森」誕生 8月31日までの期間限定 植物とランプで幻想的に 国際学術組織「ドコモモ」、神戸港・Q2上屋を選定建築物に 戦前の姿とどめ、近代化物語る施設と評価

 井上さんの主宰した劇団こまつ座(東京)が1994年から上演を重ねる2人芝居で、2004年には、宮沢りえさんと原田芳雄さんの主演で映画化。国内外で評価を集めている。
 舞台は原爆投下から3年後の広島。一人生き残った美津江は負い目から「幸せになってはいけんのじゃ」と恋心にふたをする。そんな彼女の前に現れるのは、亡くなったはずの父・竹造。「恋の応援団長」を買って出る父との泣き笑いのやりとりから、生きる力を取り戻していく。
 演出の合田幸平さん(82)は、核兵器禁止条約の批准に政府が後ろ向きな現状に危機感を覚え、「井上さんが命を懸けて書いたと感じる」同作への挑戦を決意。ウクライナ侵攻で核兵器使用の脅威が高まり、「上演しなくてはと一層強く思うようになった」という。
 自身も出征した父を失い、空襲を経験した。劇団ではこれまでも原爆を描いた作品を取り上げ、被爆者に話を聞くなどしてきた。「全編広島弁で役者の力量が問われるが、稽古を重ね、核兵器の恐ろしさを再認識してもらいたい」と語る。出演は北勝成さんと岡田真美さん。
 28日午後2時、6時半と29日午前11時、午後4時の4回。2千円(学生・障害者千円)。各回30人、要予約。劇団どろTEL090・1139・1945
(田中真治)

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