障害者アーティスト発掘へ音楽コンクール ピアニストの西川悟平さんらが審査 29日神戸で初開催
2022/05/25 05:30
審査員を務めるピアニストの西川悟平さん(西川悟平サポーターズクラブ提供)
障害がありながら音楽に打ち込むアーティストを発掘・育成する「Para(パラ)国際音楽コンクール」(神戸新聞社など後援)が29日、神戸文化ホール(神戸市中央区)で初めて開かれる。国内から11~40歳の23人が出演し、ピアノやバイオリン、声楽などを演奏。病気を克服し「7本指のピアニスト」として国際的に活躍する西川悟平さんらが審査する。(藤森恵一郎)
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一般社団法人パラ・アーティスト・マネージメント協会(愛知県)が主催。同協会は、障害者の音楽・アート教室などを手掛けるNPO法人響愛学園(同)の理事らによって2018年に発足した。学園の教室が神戸にある縁で第1回を開催することにした。
クラシックを基本とするソロとアンサンブル、ジャンルを問わないソロフリーの3部門。意思表明が苦手といった特性がある自閉症スペクトラム障害、発達障害、視覚障害などさまざまなハンディがある50人が応募し、当日は1次選考(動画審査)の通過者が公開演奏する。
審査員は神戸女学院大学非常勤講師の山内鈴子さん(ピアノ)、日本センチュリー交響楽団の演奏者ら計7人が務める。
自閉症スペクトラム障害がある末近功也さん(23)=神戸市西区=はピアノで出演し、リストの「ラ・カンパネラ」を披露する。母親の百合子さん(57)は「気持ちを言葉で伝えるのは難しいけれど、ピアノなら思いを届けられる。コンクールという目標ができ、日々レッスンを頑張っている」と話す。
同協会の児島真里子代表理事は「障害のある人たちは琴線に触れる音を出すことができ、プロより感動させる力を持っているかもしれない。多くの方に聴いてほしい」と呼び掛ける。
◇ ◇
午後1時から本選、同5時半から西川さんのトークとコンサートがある。3千円。チケットは、チケットぴあ(ウェブ)、神戸文化ホールプレイガイド(窓口のみ)で販売中。