LGBTQ支援拡充へ、相談日増設や新たに交流会 大阪の団体、資金協力呼びかけ「環境整えたい」

2022/06/08 05:30

クラウドファンディングへの協力を呼びかけるチラシを手にする内藤れんさん=大阪市北区

 LGBTQなど性的少数者の支援に取り組むNPO法人「QWRC(くぉーく)」(大阪市)が、相談窓口の拡充や居場所づくりを進めるため、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。無料通信アプリLINE(ライン)による相談日を増やしたり、当事者が集まって交流できる機会を定期的に設けたりする計画だ。(小尾絵生) 関連ニュース 「自分はLGBTQの『Q』だよ」…アーティストの言葉に救われた! 「僕は男なのに、体は女」何度も死のうと…葛藤、ミュージカルと絵本に 警察沙汰になりかねない…できるだけ多目的トイレへ トランスジェンダーの願い「私たちは特権がほしいわけではない」


 同法人は2003年に発足。さまざまな悩みを抱えたLGBTQの当事者が交流する場や相談できる環境を提供してきた。神戸でLGBTQの居場所づくりなどに取り組むトランスジェンダーの内藤れんさん(27)=神戸市須磨区出身=も運営に携わる。
 ラインによる相談は21年6月に始めた。月1回5時間で続けており、相談件数は多い月で20件を超える。
 専門の相談員2、3人で1件ずつ対応しているが、十分な回答ができないこともあり、7月から月3回への拡充を目指す。
 ライン相談は、半数以上を20代前半までの世代が占め、電話より多い。内藤さんは「相談内容を家族に知られたくない人が多く、電話はハードルが高い。若い人はラインの方がなじみがあるようだ」とみる。
 また、当事者同士が情報を交換したり、ゲームなどを通じて交流したりする機会を新たに月4回設ける。
 会場は、大阪市北区天満2のLGBTQセンター「プライドセンター大阪」。オンラインでもつなぐため遠方からも参加もできる。臨床心理士や精神保健福祉士などによる個別相談も受け付ける。
 「LGBTQであることを隠している人は多く、交流を持つ機会は限られる」と内藤さん。「少しでもアクセスしやすい環境を整えたい」と話す。ライン相談や交流会は居住地を問わず利用、参加できる。
 応援は、CFサイト「レディーフォー」で「QWRC」と検索。1口3千~20万円で受け付けている。目標額は240万円。30日まで。問い合わせはメール(info@qwrc.org)で。

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