北斎の世界観、手水舎に双竜の絵図 大改修中の綱敷天満宮 神戸・須磨
2022/06/21 05:30
手水舎の内側に描かれた竜=綱敷天満宮
須磨の天神さまで知られる「綱敷天満宮」(神戸市須磨区天神町2)の手水舎に双竜の絵図が完成した。同天満宮が約70年ぶりの境内大改修に合わせて企画し、制作過程も公開してきた。江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の世界観を模し、黄や緑、青などで鮮やかに彩色。迫力満点の竜を楽しめる。
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同天満宮は今回の大改修中で、水の神である竜神の社を再建立することから、文化遺産の修復を手掛ける山内章さん(63)=奈良県=に絵図制作を依頼した。
絵図は社の建立に先立って描かれ、山内さんが下絵を描き、色を塗り重ね、3カ月がかりで仕上げた。手水舎の内側に阿吽(あうん)の双竜を表現。朱色との対比が鮮やかさをより際立たせている。
「明るい色合いで、現代にも通じる絵になった」と久野木啓太宮司(56)。「ぜひ多くの人に見に来てほしい」と話す。
神社巡りが好きだというパート勤務の女性(53)=神戸市長田区=は「すごくきれい」と感嘆。「インスタグラムに投稿したい」とカメラを構えていた。
絵図の完成に合わせ、同天満宮は26日、合格祈願の竜神図絵馬を作るワークショップを開催。参加費2千円。午前10時、午後0時半の2回。各回定員20人。希望者は同天満宮社務所TEL078・734・0640
(貝原加奈)