震災に思い巡らせて 1・17「希望の灯り」分灯を種火に手持ち花火 神戸・東遊園地

2022/09/12 21:20

希望の灯りを種火に花火を楽しむ親子ら=東遊園地

 阪神・淡路大震災を語り継ぐNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り(HANDS)」が10日夜、神戸市中央区の東遊園地で、震災犠牲者を悼むガス灯「希望の灯り」の分灯を種火に手持ち花火を楽しむイベントを開いた。親子連れら約千人が集まり、震災に思いを巡らせた。 関連ニュース 神戸と横浜、違いを見つけるのが難しいほどそっくり…違いは震災の時期と規模? 何もない記憶、重荷だった「1・17生まれ」 27歳語り部が振り返る、1万日の歩み 20歳の娘が残した創作絵本、震災知らぬ子らに贈り続け「志乃が生きた証し。命の大切さ考えて」

 新型コロナウイルス禍で自粛続きの子どもたちに夏を楽しんでもらおうと企画し3回目。
 イベントではまず、5千人以上の犠牲者名を刻んだモニュメントがある瞑想(めいそう)空間を通り、初めて訪れた子どもたちから「これはなに?」などの声が漏れた。希望の灯りの前では、若者向けに震災を伝える「1・17希望の架け橋」代表の藤原祐弥さん(20)=同市長田区=がマイクを握り、震災の被害や当時の惨状を伝えた。
 火薬の匂いが鼻をくすぐる同園内には、緑やピンクの閃光(せんこう)が走り、子どもたちの笑顔を照らした。今年初めての花火だったという小学5年生の女児(10)=同市中央区=は「社会の授業で震災は習ったけど、瞑想空間を知らなかった。名前を見て、大勢の人が亡くなったと実感した」と話した。(斎藤 誉)

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