自称「日本最小レスラー」のはしたろう選手がデビュー20周年 30日、神戸で9度目の凱旋試合
2022/10/26 05:30
得意技「延髄斬り」の練習に打ち込むのはしたろう選手=2022年9月、神戸市垂水区西舞子1
神戸市垂水区出身で、東北を拠点とする「みちのくプロレス」ののはしたろう(本名・野橋太郎)選手(40)が30日、神戸サンボーホール(同市中央区浜辺通5)で大会を開く。今年はプロデビュー20周年。ファイトマネー600円から始まり、9度目の凱旋(がいせん)興行を主催するまでになった。「応援してくれる人がいる限り、応えたい」。不惑のレスラーは故郷での大暴れを誓う。(初鹿野俊)
関連ニュース
「半数以上は女性客」リングのある神戸のプロレスカフェバーが話題 かぶりつきの席に「プ女子」がズラリ
拒否の仕方が半端ないと話題 後輩猫から猫プロレスに誘われるも…「もう、やめてにゃん」
「選手生命の危機!」人気女子プロレスラー井上京子選手がSOS試合での必需品を「探しています」
力道山、アントニオ猪木、獣神サンダー・ライガー…。小柄な少年は強さに憧れた。小学6年で経験した阪神・淡路大震災で気がめいったときも、プロレスの映像を見ると勇気が湧いた。
伊川谷北高校(同市西区)では柔道部に所属。卒業後は大学進学を漠然と考えていたが、高校3年の2学期、プロレス雑誌の広告に目が留まった。メキシコで活動する選手の募集だった。「身長、体重不問」。途端に夢が目標に変わった。「行かせてくれ」。両親は一度は反対したが、翌日には許してくれた。
高校卒業後、半年のトレーニング期間を経て、2001年10月に本場の国へ。翌02年の5月にはリングデビューを果たした。初めてのギャラは50ペソ、当時の日本円で600円ほど。感慨深かったが、屋台のタコス代に消えた。生活が成り立つわけもなく、両親の仕送りを受けながらキャリアを積んだ。
04年10月、岩手県を拠点とするみちのくプロレスに移った。身長159センチ。「日本最小レスラー」を自称してきた。体格差を補って余りある熱量たっぷりのファイトで、東北のみならず各地にファンを増やしていった。経済面でも自立し、結婚して生まれた息子は現在小学6年。13年からはほぼ毎年神戸で試合を開き、地元に錦を飾っている。
プロ生活20年。家族やファンの支えに感謝しつつ、「好きなことをやらせてもらっているので、あっという間。夏休みが終わらない感覚」と、気持ちはプロレス少年そのままだ。
30日の相手は看板レスラーの新崎人生選手(55)。かつては付き人も務め、師匠と仰ぐ存在だが、「過去3戦全敗しているので」と節目の試合での悲願成就を期す。
チケット購入希望者はみちのくプロレスTEL019・687・2431