木工所にツバメの巣守る傘100本 「幸せ呼ぶ鳥」と歓迎 三木

2021/04/26 05:30

天井を埋め尽くしたカラフルな傘=三木市府内町

 兵庫県三木市府内町の實井木工所の天井にツバメが約50個の巣を作っている。ふんとひなの落下を防ぐために取り付けた、約100本のカラフルな傘が天井を彩る。工場内に響くさえずりが地域住民を癒やしている。(長沢伸一) 関連ニュース ツバメ、日本が居心地いい? 国内での越冬増加 温暖化や豊富な餌も影響か<里へ> 分布や生態、人間との関係…「丹波篠山市の鳥」ツバメが教材に 篠山東中、理科教員ら工夫の授業 ツバメの巣に蜂が


 工場にツバメが飛来するようになったのは約30年前のこと。先代の實井史朗さん(90)が幸せを呼ぶ鳥と歓迎し、ふん対策などのため、大量の傘を天井に取り付けた。
 傘のおかげか、天敵のカラスがひなを狙って入ってくることがなくなり、ツバメが安心して子育てができる環境になったという。毎年3月上旬にやってきて9月ごろまで滞在する。多い年は200羽にもなるという。
 今年は例年より飛来が遅く、3月中旬ごろから姿を見せ始めた。傘の周囲を飛び回ったり、羽を休めたりして愛らしい姿を見せている。
 史朗さんから事業を受け継ぎ、ツバメを温かく見守ってきた木工所経営者の滋さん(72)は「心配していたが、来てくれて良かった。見てると元気になるね」と笑顔。木工所のそばで自動車販売業を営む男性(71)は「ツバメが飛んでくると季節を感じる。毎回楽しみにしている」と目を細める。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ