「目線が泳ぎ不安そうな表情…」気になった郵便局職員が声掛け、還付金詐欺被害防ぐ

2021/12/27 05:30

署長感謝状を受け取る土井信二さん=三木署

 高齢女性の還付金詐欺被害を防止したとして、兵庫県警三木署は三木郵便局窓口営業部課長の土井信二さん(42)に署長感謝状を贈った。 関連ニュース 「個人情報が流出してしまう」 焦る高齢男性に声掛けコンビニ店員が詐欺被害防ぐ 「凍結した口座を動かす」マッチングアプリで知り合った女性から480万円だまし取る 男2人逮捕 「区役所」の文字と金額書いたメモ、そこに男からの電話…詐欺被害、信金職員が高齢女性に声掛け防ぐ

 同署によると、3日午後1時すぎ、三木市の女性(67)が1人で来局。目線が泳ぎ不安そうな表情が気になった土井さんが声を掛けた。女性は「介護保険料の還付があると聞いた。どんな手続きをすればよいのか教えてほしい」と説明。三木市役所の介護保険課職員を名乗る男から電話があったという。
 女性は、男から郵便局の現金自動預払機(ATM)に行って電話をするように指示されていた。電話がつながらず、窓口にやって来たという。土井さんが番号を見せてもらうと、「03」から始まる東京の市外局番だった。土井さんは女性の話を聞いて落ち着いてもらい、警察に通報するとともに、市役所にも還付の案内がなかったことを確認し、被害を防いだ。
 23日に同署で三木一也署長から感謝状を贈られた土井さんは「詐欺は人ごとではない。1件かもしれないが、来られた時に助けられたのは良かった」と振り返った。(長沢伸一)

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