深呼吸 北播磨の清涼スポット(5)矢筈山(西脇市)
2022/07/26 05:30
展望台から見える西脇の街並み。20分ほどの登山で絶好の眺望に出合える=西脇市高田井町付近
■林道抜ければ街一望
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コンクリートの舗装路を歩いていたつもりが、いつの間にか木々に囲まれた林道に。沢を流れる水音と鳥の声。歩を緩め、大きく息を吸い込んだ。
山に囲まれた兵庫県西脇市は街と自然が近接し、ふと思い立った時に緑の中を散歩できる。中でも矢筈(やはず)山は登山道が整備された人気スポット。朝晩の気温が下がる秋冬には街をすっぽりと覆う雲海が見られ、毎日のように登る市民もいる。
標高363メートル。数字以上に高さを感じるのは、急勾配のせいか。尾根筋や斜面にはアカマツの林が広がり、ところどころでシダが濃い緑をのぞかせる。林道を抜けると、登山道は鉄骨の電波塔の脇を抜けてさらに続く。中腹の展望所では急に視界が開け、西脇の街を一望できる。
雨上がりの午後。灰色の雲の間からは陽光が差し込み、まだらに街を照らす。「こんにちは、お先に」。後ろから来たハイカーが声をかけ、追い抜いていった。負けてはいられない。水筒のふたを閉じ、ベンチから腰を上げた。(伊田雄馬)
■ ■
終息の見えない新型コロナウイルス禍に加え、今年は猛暑。時には人けのない場所でマスクを外して深呼吸してみませんか。北播磨の清涼スポットを記者が巡ります。
【メモ】矢筈山(西脇市)の山頂には、戦国時代後期のものとされる山城跡があり、六甲山地や淡路島まで望める眺望は「ひょうごの景観ビューポイント150選」にも選ばれている。登山道は傾斜がきつく、登山靴やトレッキングシューズの着用が望ましい。
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