野外活動施設「テミル」 1人用テント導入へ資金募る

2021/07/13 05:30

クラウドファンディングをPRする久後恵美子さん=三田市木器

 兵庫県三田市木器(こうづき)の野外活動施設「神戸三田アウトドアビレッジTEMIL(テミル)」が、1人用の「ソロテント」導入に向け、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を実施している。施設は新型コロナウイルス禍で厳しい経営状況を強いられており、感染対策の効果が見込めるソロテント導入で活路を見いだす。(小森有喜) 関連ニュース 芦屋川河口の風景「何度来ても、春樹文学の原点と感じる」 「ハルキを生んだ街」(中) 教職員からの相談を管理職が放置 「許せない」と保護者ら 姫路市立小の暴言・体罰問題 体罰・暴言の教諭、懲戒免職に 同僚が3年前から言動記録、再三校長に伝えるも放置

 伊丹市が所有していた施設をNPO法人「生涯学習サポート兵庫」(姫路市)などが買い取り、2018年春にオープン。キャンプサイトや宿舎、体育館のある敷地を活用し、自然体験イベントなどを企画してきた。
 老朽化で手入れが必要な設備も多く、修理しながら運営してきたが、コロナ禍が大きな打撃に。20年度の売り上げは前年度の約2割まで落ち込んだ。それでも医療従事者の家族向けに学童保育を実施するなど、社会貢献に力を入れてきた。
 感染対策を取りながら、施設を存続する手だてとして注目したのがソロテントだった。安心して楽しんでもらうことができる上、同法人事務局長の久後恵美子さん(42)は「子どもが1人で寝泊まりできたという自信が自立にもつながる」と話す。従来の男女別のテント分けとは異なり、性的少数者(LGBTQ)に配慮する狙いもあるという。
 すでにある40個に加え新たに40個を購入予定で、施設改修費なども含めた経費は300万円を見込む。うち150万円をCFで募ることにした。
 支援はCFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」から。8月14日まで受け付ける。金額は3千円からで、金額に応じて地元米やアルミ製の飯ごう「メスティン」などを返礼品として送る。2万円以上なら、ソロテントを親子で利用できる宿泊券も受け取れる。久後さんは「子どもの体験学習の場を守るため支援してほしい」と話す。TEMILTEL079・569・1016

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