「オンリーワンの活動」コウノトリ義足作りに栄誉 神戸医療福祉専門学校三田校、運動器の財団が表彰
2022/04/18 05:30
義足を付けたコウノトリ(神戸医療福祉専門学校三田校提供)
片脚を失ったコウノトリに義足を作った神戸医療福祉専門学校三田校(兵庫県三田市福島)の取り組みに対し、公益財団法人「運動器の健康・日本協会」が理事長特別賞を贈った。17日に東京都内で表彰式があり、同校義肢装具士科の教員、川上紀子さん(30)=同県伊丹市=が出席。「動物も安全に暮らしていける環境づくりに興味を持ってくれる人が増えたら」と話し、活動の継続に意欲を示した。(永見将人)
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同校では義手や義足を製作する国家資格「義肢装具士」を養成している。昨年1月、左脚の下半分を失ったコウノトリが保護され、県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)で治療。獣医師が義足作りに取り組んでいるのを報道で知り、川上さんらが協力を申し出た。コウノトリは仮義足でリハビリを続けていたが、昨年10月に肺の疾患で死んだ。
協会の表彰は2022年度が10回目で、人間以外の健康増進活動が受賞するのは初めてだという。審査委員の武藤芳照・東大名誉教授は講評で「人の医療の技術と経験を応用し、創意工夫を凝らして創出された『オンリーワン』の活動」と評価した。
現在、足の機能が衰えたコウノトリの装具作りに着手しているという川上さん。「獣医師との連携を深め、動物も助けられるように義肢装具士の仕事の幅を広げていきたい」と話した。