コンクリートの亀裂から「ど根性トマト」家庭菜園から種子移動? 三田の女性宅

2022/09/22 05:30

コンクリートの亀裂から伸びる茎=三田市

 「コンクリートの割れ目からミニトマトが生えたんです」。情報を寄せてくれたのは、兵庫県三田市の看護助手、吉岡清恵さん(67)。早速自宅にお邪魔すると、玄関先の段差にできたわずかな亀裂から茎が伸びている。さながら「ど根性トマト」だ。(小森有喜) 関連ニュース 夏休みに食べたスイカの種か、10月なのに?! 学校の中庭に季節外れ「ど根性スイカ」 「ど根性メロンや」 アスファルトから網干メロン? 歩道で花咲かせ、実も 娘の食べ残しのトマト、プランターの肥やしに→立派な苗が生えていた! 「すごい生命力」「誰かが花壇に捨てたのがたくさん実っています」


 道路を挟んだ向かいの畑でミニトマトを家庭菜園している吉岡さん。コンクリートのトマトは8月上旬から、かれこれ1カ月ほど茎を伸ばし続けているといい、たまに収穫して味わっている。
 県立農林水産技術総合センター(加西市)の主任研究員・渡邉圭太さんによると、家庭菜園の畑から種子が移動した可能性が高いという。ミニトマトの種子表面には細かい毛が生えており、乾燥状態の種子は野生動物の体や人の衣服に付着して運ばれていくこともあるほか、野生動物のフンに種子が含まれていた可能性もある。
 今春に吉岡さんの母親が体調を崩し、入退院を繰り返しているという。新型コロナウイルスの感染対策で面会もかなわず、気持ちが落ち込むこともあったが、トマトを見ると「細い茎でも一生懸命生えている。元気をもらえます」と笑顔だった。

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