五輪参加予定206カ国・地域の子どもらが平和願い壁画描く 五輪公式HPに掲載
2021/06/11 05:30
東京五輪の公式HPに掲載された作品と塩飽康正さん(左)、隆子さん夫妻=赤穂市大町
東京五輪・パラリンピックの参加予定206カ国・地域と日本の子どもたちが協力して描いた壁画プロジェクトの全206作品が、東京五輪の公式ホームページ(HP)に掲載された。新型コロナウイルス禍で大会が1年延期となり、感染予防のため実物展示などの計画は中止になったが、持続可能で平和な世界を願い、学びを深め合った子どもたちの作品が出そろった。(坂本 勝)
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2020年夏の当初開催予定に向け、一般財団法人「ジャパンアートマイル」(兵庫県赤穂市大町)が19年度からプロジェクトを進めた。
大会開催国の日本と参加国・地域の子どもたちが「飢餓をゼロに」「貧困をなくそう」など国連の持続可能な開発目標からテーマを選択。オンラインで相手国・地域の歴史文化を学び合い、テント地のキャンバス(横3・6メートル、縦1・5メートル)を送って協力して描いた。オンライン環境の未整備などで連携が難しい場合は、単独で制作する日本の学校などを募った。
206作品の内訳は、アフリカ54▽アメリカ41▽アジア44▽ヨーロッパ50▽オセアニア17-で、地域別に東京五輪のHPで紹介。国内の参加団体は北海道から沖縄まで列島各地に広がり、兵庫県からも50作品が集まった。このうち、赤穂市内からが28作品、姫路市立中学校からが18作品を占めた。
姫路・広嶺(こうりょう)中がブルンジ(アフリカ)を単独で描いた作品は、四股を踏む日本の力士や太鼓を打ち鳴らす現地の人々を生き生きと描写。赤穂西小とモルディブ(アジア)の児童は捨てられたごみに苦しむ鳥や魚、ウミガメなどを協力して描き、環境保全の大切さを訴えた。
同法人の塩飽隆子(しわくあつこ)理事長と夫の康正(やすまさ)副理事長は「206カ国・地域の作品が全てそろったのはすごいこと。自分たちの未来をどうするべきか、子どもたちが世界に目を向け、考える機会に」と話す。
作品は「東京2020オリンピック」のサイトで「イベント」から「わっさい」のコーナーに進めば、「世界206の国・地域のアートマイル壁画」で見ることができる。