赤穂市民病院、医療事故8件発生も調査委開かず 内規違反、外部委で検証へ

2022/03/10 05:30

赤穂市民病院=赤穂市中広

 赤穂市民病院(兵庫県赤穂市中広)の脳神経外科に在籍した男性医師(依願退職)の手術で医療事故8件が相次いだ問題を巡り、病院開設者の牟礼正稔市長は、医療事故調査委員会が院内で開かれず、病院の内規に違反していたとの認識を明らかにした。原因究明や再発防止に向け、外部有識者による委員会を設置し、事故を検証する意向を示した。 関連ニュース 市民病院医師、手術で医療事故8件 女性患者が神経の一部切断され両足まひに 兵庫 市民病院の男性医師、医療事故8件 障害残った患者の家族「そもそも技量なかったのでは」 経営難の赤穂市民病院 「公立として存続を」経営検討委が報告書 職員数抑制など前提に

 8日の市議会本会議で、家入時治議員(政翔会)の代表質問に答えた。「医療事故調査委員会は開催されたのか」との問いに、牟礼市長は「本来行うべき院内の事故調査委員会は開催されていない。開催すべきだった」と答えた。
 同病院は厚生労働省の指針を踏まえ、医療安全対策実施要項で、医療事故が患者の死亡や永続的な障害、後遺症の原因になった場合、院長の指示で速やかに調査委を開くと定めている。
 しかし、男性医師の過失による医療過誤1件が2020年1月に起きた際、ほかの事案もあることが判明。それらも含めて藤井隆院長らが会議で検証したが、内規で定められた調査委は開かなかったという。(坂本 勝)

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