人気の山城、撮影スポット整備「登山楽しみ絶景活写して」 佐用・利神城跡

2022/03/13 14:30

旧因幡街道の県道沿いに設置された撮影スポットの看板=佐用町延吉

 兵庫県佐用町平福の国指定史跡・利神(りかん)城跡の撮影スポットを、地元住民らが新たに開設した。城跡の北西にある同町延吉の県道沿いの一角で、望遠レンズを使えば電信柱や山の陰に遮られることなく石垣をカメラに収められる。また、冬の間休止していた同城跡への登山ツアーも、区間を山頂までに拡大して再開する。地元住民らは「幅広い層の人々に城跡の魅力を伝えたい」と期待を込める。(勝浦美香) 関連ニュース コロナ禍で事業低迷、親会社からの救いの手を悪用 グローリー子会社21億円横領 グローリー子会社社員が21億円横領 17億円は競馬に使用、約4億円は飲食や遊興費に 女流王位戦、西山が初の挑戦権獲得 4月26日、姫路で開幕


 利神城は、南北朝時代、赤松一族が利神山(標高373メートル)の山頂に築いた。壮大な石垣や山道からの眺望が、登山や写真愛好家、山城ファンの人気を集めている。
 撮影スポットは、同町平福を通る国道373号から、県道161号へ入った坂道の中腹に開設。地元自治会長が土地を提供し、住民らと草刈りをして整備した。この県道は、かつて宿場町だった平福地区と岡山や鳥取を結ぶ旧因幡街道でもある。目印となる看板を設置した「平福文化と観光の会」の五名(ごみょう)和雄会長(73)は「当時の情景に思いをはせながら、利神城の姿を楽しんで」と呼び掛ける。
 また、山頂より少し下の三の丸跡までで実施してきた「利神城登山ガイドツアー」は、石垣の工事が進んだため、天守丸跡までの登山が可能になった。ツアーを手掛ける佐用山城ガイド協会の春名政男さん(72)は「本丸に到達するのは山城登山の醍醐味(だいごみ)。城主になった気持ちで見晴らしを楽しんでほしい」と話す。ツアーは13日から再開し、ガイド協会の専用サイトから予約できる。

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