パリの日本酒品評会、「播州一献」恩返しの最高賞 蔵を焼失した山崎の山陽盃酒造、地域の支えに感謝

2022/07/28 05:30

フランスの品評会でプラチナ賞に輝いた日本酒「播州一献 純米大吟醸 山田錦」を掲げる壺阪専務=山陽盃酒造

 兵庫県宍粟市山崎町山崎の山陽盃酒造(さんようはいしゅぞう)が醸造する日本酒「播州一献(ばんしゅういっこん) 純米大吟醸 山田錦」が、5月にフランス・パリで開かれた日本酒品評会「Kura Master(クラマスター)」の純米大吟醸部門で、最高賞のプラチナ賞に輝いた。4年前に蔵を焼失し、最新鋭設備を導入した新工場で初めて仕込んだ酒だけに、杜氏(とうじ)の壺阪雄一専務(42)は「今後の自信につながる」と喜んでいる。(村上晃宏) 関連ニュース 築150年の蔵が全焼した「山陽盃酒造」、新工場で再スタート 【写真】山陽盃酒造に新工場 蔵など火災で全焼 宍粟 「日本酒発祥のまち」の拠点に 山陽盃酒造、火災の母屋再建


 同品評会は2017年から開かれ、フランス人を中心としたソムリエらが審査する。今回は純米大吟醸▽純米酒▽サケスパークリング▽生●(きもと)▽古酒-の5部門に1110点の出品があり、121点がプラチナ賞に選ばれた。
 山陽盃酒造は1837(天保8)年に創業。2018年の火災で築約150年の蔵が全焼するなどした。その後、室温や湿度を細かく設定できる新工場を建設し、昨春から稼働し始めた。
 「播州一献 純米大吟醸 山田錦」は、三木市の特A地区で収穫された酒米「山田錦」を精米歩合35%まで磨く。上品な甘みと柔らかい香りが特徴。壺阪専務によると、新工場で醸造した結果、雑味のないすっきりした味わいとなり、新鮮さが増したという。
 壺阪専務は「火災時には地域住民やボランティアら多くの人に助けてもらった。その恩返しが少しできた。『宍粟の味』を世界に発信できるよう酒造りを究めたい」と意気込む。
 720ミリリットル5500円、1800ミリリットル1万1千円。山陽盃酒造TEL0790・62・1010
(注)●は「酉」の右に「元」

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