人口減少、県政の責任では?

2021/06/25 11:30

計画が遅れ、イベント会場になっているJR三ノ宮駅ビルの建設予定地=神戸市中央区雲井通8(撮影・長嶺麻子)

 【質問】兵庫県の人口が減り続けています。転出超過が「全国最悪」とも報道されていました。なぜここまで人口が減っているのでしょうか。県政の失敗ではないのですか? 関連ニュース 明石市の人口、10年連続で増加 子どもの医療費や中学給食を無償化、若い世代呼び込む 兵庫県の7月推計人口 541万837人、3カ月ぶり減少 自然減が社会増を上回る 兵庫県の推計人口540万6829人 4月、増加は3市区のみ

 2021年1月1日現在の兵庫県の推計人口は543万4645人です。この10年間で15万3217人が減少し、地方では過疎化が進んでいます。その上、兵庫県から転出した人数から転入した人数を差し引いた「転出超過」の多さがここ数年で課題になりました。
 総務省の都道府県別人口移動報告によると、転出超過は20年で6865人と、全国で2番目の多さでした。約10年前までは転出よりも転入が多かったのですが、12年以降は転出超過が続き、人口減少に拍車をかけています。
 要因の一つは大阪府との関係です。従来は転入者が多かったのですが、11年に逆転して転出者が多くなり、年々差が広がっています。逆転現象は、大阪駅北側の再開発で、駅近の住宅などが増えた時期とも重なります。神戸の三宮地域の再開発は、大阪よりも遅れました。
 兵庫県は15年に「地域創生戦略」(15~19年度)を作り、転出超過をなくす目標を立てましたが、達成できませんでした。現在は24年度までの第2期計画を立て、コロナ後を見据えて若者の流出対策などに取り組んでいます。
 失政ではないか-。そんな質問に、県地域創生局の飯塚知香子企画参事は「人口問題は県だけで解決できず、難しい指摘だ」とし、「これまでの施策は総花的で見えにくかった。何に力を入れているかを明らかにし、民間を巻き込んで取り組みたい」と話しています。
(知事選取材班・高田康夫)

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