「震災の記憶を全国へ」平松愛理さん、神戸で最後の復興支援ライブ
2020/01/17 22:06
最後の阪神・淡路大震災復興支援ライブで熱唱する平松愛理さん=17日午後6時40分、神戸新聞松方ホール(撮影・斎藤雅志)
阪神・淡路大震災復興支援ライブ「1・17 KOBE MEETING(コウベ・ミーティング)」を、今年で一区切りとするシンガー・ソングライター平松愛理さんは17日、神戸市中央区の神戸新聞松方ホールで節目の公演を終えた。満員の観客席に向かって「毎年来てくださった皆さんの思いを胸に刻み、25年前の震災の記憶を全国に伝えていきます」と誓った。
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神戸市須磨区出身。昨年亡くなった医師の父が震災当時、被災者を診療する姿に心打たれ、歌での支援を決意。故阿久悠さんとの合作「美し都~がんばろや We love KOBE」を発表した。故郷の復興を願い公演を続けてきた。
2011年の東日本大震災以降は活動を他府県に広げ、収益金の一部を遺児らの支援施設「レインボーハウス」にも寄付。この日は同施設を運営するあしなが育英会、平松さんが須磨区の花コスモスの種を届けている宮城県山元町に義援金を手渡した。あしなが育英会からは感謝状が贈られた。今回を最後とした理由について相次ぐ災害を挙げ、神戸で学んだ感謝の輪を全国に伝えるとした。
会場には平松さんの友人も駆けつけた。川西市の会社員赤沢康子さん(56)は中高の同級生。平松さんの実家が全壊したことに触れ「自分も大変なのに地元のために立ち上がってくれ、励まされた。全国に兵庫の体験を伝えてくれている。応援したい」と語った。
平松さんが「美し都」を披露すると会場も合唱。客席の盛り上がりはピークに達した。平松さんは涙をぬぐいながら「神戸の思い出と一緒に新たな支援に出発します」と締めくくった。(津谷治英)