学校関係者「社会的制裁考慮か」 保護者「再発防止どうなる」 加害教員が書類送検
2020/03/12 05:30
神戸新聞NEXT
2月28日に加害教員4人を懲戒免職や停職処分にした神戸市教育委員会。幹部職員は書類送検について、「市教委の処分はかなり重かった。社会的な制裁は済んだと捉えられ、起訴を求めないとする警察の判断につながったのでは」と冷静に受け止めた。
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一方、別の学校関係者は「起訴され、裁判になることでより明らかになる事実もあるかもしれない。そういう意味では拍子抜け」と口にした。
息子が東須磨小に通う母親は「被害届が出されてからの半年、警察はいったい何を調べていたのか」と落胆した。加害教員のうち2人は免職にならなかったことに触れ、「警察にも厳しい判断を期待していたが、2人は教壇に戻るかもしれない。再発防止の道筋も見えない。これで終わってしまうとまた同じようなことが起きるのではないか」と不安を語る。加害教員のうち1人の代理人弁護士は「まだ一喜一憂する段階ではない。今後、神戸地検による聴取に協力していく」と話した。
■警察の任意捜査は妥当
【甲南大学法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)の話】書類送検の容疑内容は動画などで確認でき、容疑者4人も取り調べに応じている。逮捕、勾留しなければ捜査が妨げられる事情はなく、強制捜査しなかった警察の方針は妥当だ。
4人は懲戒免職など重い制裁を受けており、神戸地検は適正・公正な刑罰権の行使を考えるべきだ。暴行容疑は罰金を納める「略式起訴」、強要容疑は現時点での処罰は控える「起訴猶予」も十分に考えられる。
被害者に対する4人の行為は許しがたい。だが、教育現場の風土や教師の働き方にも事件を生む土壌があった。教師の養成や健全な職場環境は刑事裁判で解明も解決もできない。個人への刑罰で済む問題ではない。
■年功序列の見直し急務
【元兵庫教育大学長、桃山学院教育大学長 梶田叡一氏(心理学・教育研究)の話】教師は、覚悟がいる仕事だ。一挙一動がすべて子どもに影響を与える。その意味で、東須磨小学校の問題は、非常に恥ずかしい姿を衆目にさらしてしまった。警察の書類送検は、社会的なけじめ。教育界として見て見ぬ振りは許されない。
途方に暮れる学校を見て、神戸市教育委員会が統治強化へかじを切るのは、応急措置としては理解できる。
しかし、強権下での秩序維持は本来、教育の場にふさわしくない。教育実習だけではなく、学校現場の現実を知るインターンシップの充実などを検討すべきだ。管理職も年功序列を見直し、若手であっても積極的に登用していくことが急務だ。
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