子どもの新型コロナ感染どう防ぐ? 小児科医会の会長がアドバイス

2020/04/22 20:48

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 4月に入り、兵庫県内で新型コロナウイルスの感染が10代や10歳未満に広がり始めている。22日時点で10代が24人、10歳未満が6人。成人に比べ割合は少なく、重症化のリスクも低いとされるが、日本小児科学会によると、乳児や持病のある子どもは注意が必要という。神戸市小児科医会会長の二宮道人医師(72)は「家族で規則正しい生活と手洗いの習慣化を」と呼び掛ける。 関連ニュース なぜ?!岩手で新型コロナ感染者ゼロ… 三菱電機社員の2人はスナックで感染 新型コロナ休校中に生徒呼び出しキス 中学臨時教諭

 県内の10歳未満の感染者は、4月9、12日に加東健康福祉事務所管内(北播磨)の男児の感染を相次いで確認。14日には神戸市が男児2人を発表し、同日に伊丹健康福祉事務所管内(伊丹、川西市、猪名川町)の未就学女児、15日に加古川市の男児の感染が分かった。
 10代の感染者も3月は1人だったが、4月は23人(22日時点)に急増。全感染者に対する割合は10歳未満が1・1%、10代は4・3%だった。日本小児科学会によると、子どもは感染した大人から家庭内でうつる例が多いといい、県内の事例でも家庭内での感染が疑われる。
 子どもの感染は無症状や軽症が多く、重症化する割合はかなり低いが、日本小児科学会は「呼吸状態が悪くなることがあり、乳児や、小児ぜんそくなど持病がある子どもは注意が必要」としている。
 さらに「体温37・5度以上が4日続く」といった新型コロナの感染疑いの基準は、子どもの多くの風邪が該当。息苦しそうな場合などは医療機関に連絡し、診察を受ける必要があるという。二宮医師は「乳児なら発熱や食欲不振、不機嫌で泣きやまない、といったサインを見逃さないことも重要」と指摘する。
 日常生活について、同会は「他人との接触を避ければ屋外での遊びはリスクが低い」とするが、風邪症状があれば外出を控え、人がよく触れる場所を触った後や、飲食前の手洗いを推奨する。二宮医師は「十分な睡眠と栄養をとり、散歩など適度な運動でストレスをためず、抵抗力を落とさないようにしてほしい」と話している。(井川朋宏)
 子どもの感染予防のポイント
 ・家庭内で大人からうつる例が多い
 ・乳児やぜんそくのある子らは重症化に注意
 ・乳児は食欲不振、機嫌など変化を把握
 ・呼吸が苦しい状態などは相談窓口に連絡
 ・風邪の症状があれば外出を控える
 ・物に触れた時や飲食前などこまめに手洗い
 ・十分な睡眠と栄養をとる
 ・適度な運動でストレスをためない
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