疫病よけ「アマビエ」描かれた国内唯一の摺り物 姫路でお披露目

2020/06/10 19:06

県立歴史博物館で展示されることが正式に決まったアマビエの摺り物(京都大学付属図書館蔵)

 あの話題の妖怪が兵庫にやってくる-。新型コロナウイルスの感染拡大で注目を集める疫病よけの妖怪「アマビエ」が描かれた唯一の摺り物が、兵庫県立歴史博物館(姫路市本町)で23日から開催される特別展「驚異と怪異-モンスターたちは告げる」(神戸新聞社など主催)で展示されることが正式に決まった。当初、目玉には位置づけていなかったダークホース。人気を受けた混雑を警戒し、予定より広い場所でお披露目される。 関連ニュース コロナ「巣ごもり消費」で脚光 宅配サービスは定着する? 夏場のマスク、熱中症より酸欠に リスク試算 コロナ社会のおしゃれに、すっきり明るい「マスクヘア」 美容師たちがインスタで発信

 アマビエの摺り物は江戸時代後期の1846(弘化3)年、江戸で販売された。現在、京都大学付属図書館が所蔵する1枚しか残っていない。「疫病が流行するので、自分の姿を絵に描いて人々に見せよ」との記述や、愛らしい表情から人気を集め、インターネットなどを通じ全国に広まった。
 同展は国内外に残る想像上の生き物の絵や像を展示。4月に開幕予定だったがコロナ禍で延期されていた。「企画段階では無名だった。こんなに有名になるとは」と驚くのは「妖怪博士」として知られる同館学芸課長の香川雅信さん。「密にならないよう気を配りながら鑑賞を楽しんでほしい」と話す。
 同展は23日~8月16日(月曜休館)。大人千円。(井原尚基)
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