あの話題の妖怪が兵庫にやってくる-。新型コロナウイルスの感染拡大で注目を集める疫病よけの妖怪「アマビエ」が描かれた唯一の摺り物が、兵庫県立歴史博物館(姫路市本町)で23日から開催される特別展「驚異と怪異-モンスターたちは告げる」(神戸新聞社など主催)で展示されることが正式に決まった。当初、目玉には位置づけていなかったダークホース。人気を受けた混雑を警戒し、予定より広い場所でお披露目される。
アマビエの摺り物は江戸時代後期の1846(弘化3)年、江戸で販売された。現在、京都大学付属図書館が所蔵する1枚しか残っていない。「疫病が流行するので、自分の姿を絵に描いて人々に見せよ」との記述や、愛らしい表情から人気を集め、インターネットなどを通じ全国に広まった。
同展は国内外に残る想像上の生き物の絵や像を展示。4月に開幕予定だったがコロナ禍で延期されていた。「企画段階では無名だった。こんなに有名になるとは」と驚くのは「妖怪博士」として知られる同館学芸課長の香川雅信さん。「密にならないよう気を配りながら鑑賞を楽しんでほしい」と話す。
同展は23日~8月16日(月曜休館)。大人千円。(井原尚基)
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