GoTo「対象地域見直しを」 知事会提言、全国規模の実施不安視
2020/07/20 06:30
テレビ会議方式で行われた全国知事会=19日、東京都千代田区
全国知事会は19日の新型コロナウイルス対策本部会合で、政府の観光支援事業「Go To トラベル」を巡って議論した。知事からは、東京を除く全国規模での実施を不安視して「県内や近隣県から段階的に対象範囲を広げるべきだ」などとする慎重意見が相次いだ。知事会は同日、感染状況を注視し、対象範囲を機動的に見直すよう求める緊急提言をまとめた。近く政府に提出する。
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会合はテレビ会議方式で開き、43人が参加した。事業対象から東京発着を除外したことに理解を示す一方、全国的な人の移動に伴う感染拡大への懸念から「感染の少ない近隣地域を優先し、段階的に誘客範囲を広げるのが国民の理解を得やすい」(石井隆一富山県知事)といった意見が出た。三日月大造滋賀県知事は「地方で柔軟にできるよう、財源を振り分けてほしい」と訴えた。
兵庫県の井戸敏三知事は「Go To トラベル」について「地域や期間など段階的に対応すれば、感染防止対策との両立は可能」という姿勢を示し、「いま危険な状況をもたらしている人と、旅行される人は層の差があるのではないか」と述べた。
緊急提言は、事業に対し「地域経済の早期回復を図るものとして効果を期待」と評価しつつ「感染拡大の要因となることは避けなければいけない」と対策の徹底を注文。九州などの豪雨被災地は旅行客を受け入れる状態ではないことを踏まえ、事業を夏や秋で終わらせないよう求めた。
飲食店支援事業の「Go To イート」などについても、実施時期を含め、地方側の意見を聞くべきだとした。
このほか在日米軍基地での感染拡大を受け、対策強化を米軍に求めるとともに、政府が適切な情報公開に努めるよう要請。保健所の疫学調査の強化も提案した。
会長の飯泉嘉門徳島県知事は会合で「感染拡大防止と段階的な社会経済活動引き上げの(両立に向けた)大きな局面に差し掛かろうとしている」と述べた。
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