口当たり絶妙のクリーミーなプリン 商品化は妻への感謝がきっかけ
2020/08/22 05:30
濃厚でまろやかな味が光るこくとろぷりん=洲本市五色町都志万歳
 淡路島の牛乳、但馬の卵-。兵庫の南北の恵みを合わせたプリンが人気を集めている。淡路島の民宿「嘉兵衛荘」(洲本市五色町都志万歳)の若き経営者が考案した「こくとろぷりん」で、コクが深く、クリーミーでなめらかな口当たりが絶妙。ネット販売も展開し、新型コロナウイルスの影響で生産者が苦しむ中、郷土の食材のPRにも貢献している。(佐藤健介)
          
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 嘉兵衛荘は1967年創業。若旦那で料理長の土井崇史さん(36)はかつて城崎温泉の老舗旅館「西村屋」で約8年間修行したことがあり、淡路島だけでなく、カニなど但馬の食材も使った料理を提供している。
 プリン商品化のきっかけは、豊岡市出身の妻麻理子さん(37)への感謝だった。西村屋でフロント係として勤めていた時に知り合い、結婚し嘉兵衛荘の若おかみになった。「土地勘もなく大変だったと思う。但馬は料理人の基礎を学んだ地でもある。そのつながりを形として残そうと考えた」と崇史さん。
 素材として思いついたのが、麻理子さんの実家に近い岡養鶏場の「おかちゃんのたまご」。鶏舎に自然光を入れ、魚粉を与えるなど、健康的な環境でニワトリを育てる。卵は、深いうま味、鮮やかな黄色が特長。豊岡の実家でも食卓に並んだといい、そのおいしさに「幸せな気持ちになった」と振り返る麻理子さん。「但馬の幸は私の嫁入り道具ようなもの」と笑う。
 但馬の卵のパートナーは、濃厚な味わいの淡路島牛乳「匠(たくみ)」。コース料理のデザートに出していたブリュレを基に、無着色と無添加にこだわり、口溶けをよくするため火加減を工夫するなど試行錯誤を重ねた。優しい甘みにカラメルのほろ苦さがマッチし、ふわりとした食感が包み込む。2018年4月から受注生産を始めた。
 新型コロナにより但馬や淡路の産品は販路が先細り、嘉兵衛荘も宿泊や宴会のキャンセルが相次いだ。そんな中、ネット展開もしている「こくとろぷりん」は根強い人気で、郷土の食材の魅力を伝える。「兵庫の素晴らしい食材を多くの人に知ってほしい。生産者とともに乗り越えていきたい」と崇史さん。「子どもからお年寄りまで幅広い世代の方に食べてもらえれば」とアピールしている。
 税込み410円。ホームページから通販サイトにアクセスするか、電話でも販売を受け付ける。コロナ禍で始めた総菜のテークアウト販売のメニューにも(不定期)。嘉兵衛荘TEL0799・33・0337