特攻機、実物大模型製作へ 紫電改に次ぎ2機目 加西市
2020/09/03 07:00
姫路海軍航空隊の特攻で使われた九七式艦上攻撃機=鶉野飛行場(上谷昭夫さん提供)
太平洋戦争中、兵庫県加西市鶉野(うずらの)町にあった鶉野飛行場で訓練に使われ、姫路海軍航空隊の特攻機にもなった「九七式艦上攻撃機」の実物大模型を、加西市が製作する。実物大模型は戦闘機「紫電改」に次いで2機目で、いずれも2022年春に同飛行場跡に完成予定の地域活性化拠点施設に展示する。
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九七式は3人乗りで、全長約10メートル、全幅約15.5メートル。魚雷や爆弾を積み、航空母艦などから出撃した。
姫路海軍航空隊では練習機として使用。沖縄戦では、同航空隊から神風特別攻撃隊として出撃した飛行機のうち、同機を中心に21機計63人の命が失われた。
加西市は、戦争遺跡などが数多く残る鶉野飛行場跡や周辺を平和学習や観光振興に活用するため整備している。紫電改は、飛行場跡に建設した倉庫で昨年6月から公開中。九七式の製作委託費は約2千万円。市は関連議案を開会中の市議会に提出している。(小日向務)