退任表明の井戸知事 行革で手腕、大河ドラマ苦言などで物議も
2020/12/12 07:00
退任表明を受けた会見を終え、会場を後にする井戸敏三・兵庫県知事=11日午後、兵庫県庁(撮影・山崎 竜)
来年夏の任期満了での退任を明らかにした兵庫県の井戸敏三知事。5期20年にわたる任期中、自治省(現総務省)出身として行財政改革などで手腕を発揮したが、歯に衣(きぬ)着せぬ発言で物議を醸すこともあった。
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兵庫県知事「なぜ見直さないといけないのか」 公用車のトヨタ最高級車「センチュリー」
2001年の県知事選で、当時の貝原俊民知事の後を継いで初当選。「参画と協働」を掲げ、震災復興で「高齢被災者の生活再建やまちづくりの推進」を挙げた。10年に発足した関西広域連合では、初代連合長に就き「地方分権の先達(せんだつ)として、突破口となるよう役割を果たす」と表明。今年12月に退任するまで10年間、同連合を先導した。
批判を招く発言も相次いだ。08年には東京一極集中を巡り、関西経済にとって「関東大震災が起きればチャンス」と述べ、後に「不注意で誤解を与えた」と釈明した。
12年にはNHK大河ドラマ「平清盛」について、「画面が汚い」と苦言。今年7月には、新型コロナウイルス感染が拡大する状況に「諸悪の根源は東京」と発言し、直後に取り消す場面も。10月には公用車をトヨタの最高級車センチュリーに変更したことが判明し、会見で「一度乗ってみてください」と話すなどした。(井川朋宏)