「少しでも明るい1年に」コロナ禍の仕事始め 井戸知事は最後の年頭あいさつ

2021/01/04 12:16

県幹部職員を前に年頭あいさつする井戸敏三知事=4日午前、兵庫県庁(撮影・後藤亮平)

 兵庫県内の官公庁や多くの企業が4日、仕事始めを迎えた。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、今夏の任期満了での退任を表明している井戸敏三知事は最後の年頭あいさつに立ち、「新型コロナ対策は最も重要な課題」と職員を鼓舞。今年創業100年の尼崎信用金庫(尼崎市)は節目をPRするバッジを職員が着け、新しい年の幕開けに気を引き締めた。 関連ニュース 6割見送り、2割古里へ コロナ禍の年末年始、帰省する? コロナ禍「接触」避け初詣参拝を 所作守るさまざまな工夫 神戸の和田神社 コロナ禍で帰省取りやめ お年玉どうやって渡す?

 井戸知事は県庁で「私の任期は7月までだが、兵庫の新時代へのつなぎ役として役割をしっかり果たしたい。(県職員と課題を)共通認識し、しっかりと取り組みたい」と力を込めた。
 新型コロナ対策では、クラスター(感染者集団)の封じ込めに注力することを強調。その一方、コロナ禍で東京一極集中のひずみが生じ、地方回帰の動きがあるとも指摘した。豊岡市で4月に開学する芸術文化観光専門職大学などを示した上で、「情報ネットワークの整備や働き方改革などで、地方回帰の受け皿づくりを加速させる」とした。
 尼崎信用金庫は1921(大正10)年に前身の組織が創設され、6月に100年を迎える。この日から店舗職員らがPRバッジを胸に付けて業務に当たる。
 昨年はコロナ禍で取引先の中小企業などから、国の実質無利子・無担保融資などの申し込みが殺到。臨時の相談窓口などで資金繰りに対応してきた。
 始業前、本店では作田誠司理事長が「危機に直面している取引先を全力で支え、地域の課題解決モデルを発信するという強い意気込みで取り組んでほしい」と訓示。法人営業担当の男性(35)は「取引先の相談に親身に対応し、少しでも明るい1年になるよう力を尽くしたい」と話した。(藤井伸哉、佐伯竜一、中務庸子)

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