神鋼火力、環境協定値を超過 窒素酸化物の除去手順に不備

2021/01/06 11:20

神戸製鋼所神戸本社=神戸市中央区脇浜海岸通2

 神戸製鋼所は5日、石炭火力の神戸発電所1号機(神戸市灘区)で、窒素酸化物(NOx)濃度が神戸市と結ぶ環境保全協定値を一時超過した、と発表した。大気汚染防止法に基づく法令基準値は下回ったという。 関連ニュース 神鋼が石炭火力発電所で「アンモニア混焼」導入へ CO2排出を抑制「30年までに」 金属のリサイクル促進や水素貯蔵システム 斎藤知事、神鋼の研究施設を視察 製鉄所の高炉、CO2の25%削減に成功 神戸製鋼が世界最高水準 原料に「還元鉄」投入

 神鋼によると、保全協定値(1時間平均値24ppm)を超えたのは今月2日の午後9時半~10時半。この間に平均値で60・4ppmに達したため、稼働を止めた。法令基準値は200ppm。同市の測定局で、周辺大気中のNOx濃度に高い値が見られなかったことなどから、4日午前11時すぎに再稼働した。
 神鋼は、1号機の計画休止(12月29日~1月2日)を終えて再び稼働させる際、NOxを除去する装置にアンモニアを注入する手順に不備があったことが原因と分析。再発防止策として手順を見直し、従業員への教育を実施したという。神鋼は「地域の皆さまと関係行政当局に迷惑をかけ、申し訳ない」としている。(大島光貴)

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