<一問一答>井戸知事「自宅療養でなく、自宅待機」強調

2021/01/22 21:40

会見で自宅待機者への対応などを説明する兵庫県の井戸敏三知事=22日夕、県庁(撮影・藤井伸哉)

 兵庫県の井戸敏三知事は22日、県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議後に会見し、入院先がすぐに見つからない「自宅待機」の患者が急増していることについて「回復者の転院促進などを進め、目詰まりを解消したい」などと述べた。主なやりとりは次の通り。 関連ニュース 兵庫県コロナ対策 「自宅療養ゼロ」実態と乖離…看護師派遣へ 新型コロナ 患者3人、県施設に転院できず1人死亡 「自宅待機」中に死亡相次ぐ 病床不足で入院先見つからず

 -緊急事態宣言が出てから1週間がすぎ、受け止めは。
 「ホームパーティーや帰省、親戚の寄り合いなど、年末年始特有の状況が今の感染者数の高止まりをもたらしている。来週半ば以降、どう推移するか見極める必要がある。いずれにしろ、減らしていかなければならない。県民の皆さんには『うつらない、人にうつさない』という自覚を持って行動してほしい」
 -入院調整中の自宅待機者の対策を手厚くした。
 「目が届かないところで感染者が重症化するのが困る。きちんとしたフォローアップ体制を作っていきたい」
 -回復者の転院方針などを打ち出したが、裏を返すと重症者は転院が難しい。
 「中軽症者が(病院に)残っているケースもかなりある。感染リスクがなくなった人は(入院以外の)他の状態に変わっていただくことが重要で、転院を促進したい」
 -退院できるのに退院していない人がいるのか。
 「典型的なのは入院中に体が弱ってしまうケース。例えば独居だと誰にも面倒を見てもらえず、自宅にも戻れない。一時的にでも福祉施設にお願いせざるを得ないケースがある。『退院して入所』というシステムも作っておく必要がある」
 -「自宅待機」ではなく、「自宅療養」ではないか。
 「どうぞ『自宅療養』と決めつけてもらってもいい。しかし、われわれとしては『自宅待機者』に必要な対応をしている。『自宅療養』と言えば、自宅でずっと対応をする。今の目詰まりが解消すれば、従来のように病院や宿泊施設に収容していく。これを原則にしているので『自宅療養』とは言わない。早く解消したいが、なかなか容易ではない。この点は努力していきたい」
 -入院調整中の自宅待機者は700人を超えている。うち半数以上が神戸市だ。
 「神戸の場合、できるだけ自前で動かしていくシステムを構築している。それがかなり目詰まりを起こしている。(自宅療養に方針転換した)神戸市も自宅療養が望ましいなんて思っていないはず。応援したいが、県全体としても大変窮屈な状況になっている。お互いに協力しながら、早くこの状況を打開したい」
 -ワクチンについて。兵庫県ならではの分配方法は。
 「まだ国からシステムの開示がない。いまだにどのワクチンかも決まっていない。厚労省の動きを見ていると、ファイザー社製のワクチンと想定される。ワクチン対策課を設けるのは、事前に想定される事態を検討し、国から(方針が)示されたら、直ちに対応できるように取りかかるというのが趣旨だ」
 -新型コロナウイルス対策の特別措置法などの改正案が閣議決定された。評価する点と課題は。
 「今までは、氏名の公表止まりだったので、公表されても困らないところは守ってもらえなかった。運用はかなり難しいだろうが、罰則が担保されている効果は大きいのでは。まさか罰金を払えばいいやという人は日本国民であればいないのでは」
【特集】目で見る兵庫県内の感染状況

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