冬こそ甘味♪ 招福「厄払いスイーツ」あれこれ
2021/01/27 07:00
妖怪「アマビエ」や鬼をイメージした生菓子
冬はチョコレートやスイーツの季節-。コロナ禍で、心晴れない日々が続くが、甘みが気持ちを和らげてくれることもある。日本では昔から「招福」や「厄よけ」の菓子が作られてきた。神戸・阪神間で話題の品や長年の名物を紹介する。(堀井正純)
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1905(明治38)年創業の老舗和菓子店「杵屋総本店」(神戸市垂水区)。名物「平磯最中」などで知られるが、ハロウィーン、クリスマスなど季節ごとの生菓子も人気だ。
昨年3月から、疫病退散にご利益があるとされる妖怪「アマビエ」をイメージした生菓子を店頭に並べる。店主で職人の林伸哉さん(60)が練り切りで、横向きの姿を表現した。
ウロコに覆われた体は柔らかなピンク、長い髪を若菜のような淡い緑で彩り、黒ゴマで作った目や小さなくちばしが愛らしい。
「話題になって売れ行きは好調」と林さん。節分を前に、現在は「青鬼」「赤鬼」をかたどった生菓子も販売。「こちらも厄をはらい、福を招く菓子」とほほえむ。いずれも248円。
バレンタインデー前後は例年、ピンクと白のハート形の生菓子(144円)も人気という。
同店TEL078・707・2767
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兵庫県・芦屋発祥の洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」の「えびすフィナンシェ」。福の神「えべっさん」をパッケージにデザインし、買った人も贈られた人も「商売繁盛」になるように、との願いを込めた縁起物のスイーツだ。
赤い色が魔よけになるとされてきた「大納言小豆」をシロップ漬けにし、人気商品「フィナンシェ」に載せて焼き上げた逸品。しっとりした生地に、深い甘み、柔らかな歯ごたえを加えた。
えびす神の総本社「西宮神社」(同県西宮市)の了承を得た焼き菓子で、同神社で毎月1日にある「旬祭」にも奉納。招福の贈答品、手土産としてビジネス客らのニーズもあるという。
4個入り864円。6個入り、15個入りなどもある。ネット通販のほか、エビスタ西宮店などで扱う。シュゼットTEL0120・917・215
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「日本三大厄神」の一つ、「門戸厄神東光寺」(同県西宮市)の参道沿いにある菓匠「鈴屋雅遊庵」では、「厄除まんじゅう」が参拝者向けの定番商品。2代目の店主小俣和俊さん(57)によると、約40年前の先代の時代に、寺から「名物になる銘菓を」と頼まれ、売り出したという。
包み紙には、2本の破魔矢をあしらい、「厄除」の文字。小麦粉に卵やハチミツ、砂糖を混ぜて焼いた上品な甘みの栗色の皮がつぶあんを包む。どこか懐かしく、ほっこりする味わいが良い。
1個130円。6個入りなどの箱がある。TEL0798・53・0206