水回り修理高額請求トラブル急増 説明なく追加工事で100万円以上の請求も
2021/02/13 11:30
神戸新聞NEXT
トイレなど水回りの修理で高額な請求をされる事案が兵庫県内で急増し、県弁護士会の弁護士らが「悪質水道工事被害対策弁護団」を設立する動きが広がっている。兵庫では2019年度、水回りの工事に関する相談が400件を超え、4年連続で全国最多に。工事費用の説明がないまま次々と「追加工事が必要」などと言われ、最終的に100万円以上を請求されたケースもあったという。弁護団は電話相談を受け付け、被害実態を調査する。(村上晃宏)
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国民生活センターによると、水漏れやトイレの修理で「高額な工事代金を請求された」などの相談は19年度に全国で1716件あり、このうち兵庫が24%の411件を占めた。東京都(232件)、大阪府(209件)、神奈川県(143件)、千葉県(75件)などが続く。
兵庫県は20年度も1月末までに378件の相談があり、前年度を上回るペースとなっている。県内のトラブル急増を受け昨年11月、姫路地区では弁護団が発足。今月には神戸と阪神地区でも弁護団が設立された。
神戸地区の弁護団代表を務める北村拓也弁護士によると、インターネットやマグネット型広告に掲載された連絡先に依頼し、派遣された業者から被害を受けるケースが目立つという。「特定の業者が関わった被害例が多く、組織的に暴利的な商売をしている可能性がある」と指摘する。
見積書を作らずに工事を進め、施工後、契約書にサインを求めるケースもある。神戸市の女性は19年、洗濯槽の水漏れの修理に始まり、さらに作業が必要と言われ、最終的に約140万円を請求されたという。
北村弁護士は「基本的にトイレ修理で何十万円もしない。クーリングオフの期間(8日)が過ぎていても、粗雑な契約内容であれば見直せる場合がある。相談してほしい」と呼び掛ける。また「住んでいる自治体の水道局や、管工事業協同組合に指定業者を紹介してもらうのが安全」と話す。
弁護団への相談は無料。平日午前9時~午後5時。神戸の事務局(すずらん法律事務所)TEL078・382・0724、阪神の事務局(尼崎あおぞら法律事務所)TEL06・6493・6612、姫路の事務局(ひめじ市民法律事務所)TEL079・282・0430