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兵庫県警察本部=神戸市中央区
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 兵庫県内で2020年に確認された特殊詐欺事件の被害額は約16億6千万円(暫定値)で、19年に比べて約5億6千万円増え、増加額が全国最悪だったことが県警と警察庁への取材で分かった。被害の認知件数は兵庫では1027件で19年比1・5倍以上となり、増加数369件も全国最多。県警は昨年12月に総合対策本部を設置し、予防と摘発を強化している。

 20年の認知件数1027件は、特殊詐欺の統計を開始した04年の1140件に次ぐ多さで、県警は「兵庫が狙われている」とみる。増加した369件は、2番目に増加件数が多かった福島県と三重県の30件を大幅に上回った。

 兵庫県内の被害の8割は神戸・阪神間に集中しているため「富裕層が多く、被害者から現金などを直接受け取る『受け子』たちが、すぐに逃げられる交通網の良さに目を付けたのかもしれない」と分析する。

 受け子の取り調べに携わった捜査員は「大阪を拠点にした場合、阪神間は立地が良い」と明かす。その受け子は西宮市内で待機し、仲間から連絡が入ると被害者の所に行ってキャッシュカードを受け取る。すぐさまタクシーで大阪に行き、現金自動預払機(ATM)から現金を引き出していたという。

 一方、全国で20年に認知された件数は前年比3318件減の1万3533件。兵庫の傾向は全国と違っており、県警は「兵庫で激増した原因は新型コロナウイルスの影響だけではなさそうだ」とする。

 県内で認知された手口をみると、医療費の還付金を装ってATMから現金を振り込ませる「還付金詐欺」が激増。19年は8件だったが20年は288件に上った。被害者は65歳以上の高齢者が約8割を占め、平均被害額は約162万円だった。

 県警は被害の未然防止に向けて、高齢者の自宅を訪れて電話に1万個の録音機を取り付け、8万枚の啓発ステッカーを配布。摘発件数は19年の185件から37件増えた。昨年12月には本部長指揮の下に総合対策本部を設置し、全部門で情報交換し、被害撲滅に注力している。(堀内達成)

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