連続児童殺傷事件24年 被害者の父、土師守さん手記【全文】

2021/05/24 03:00

取材に応じる土師守さん=神戸市中央区(撮影・長嶺麻子)

 土師守さんは報道各社の求めに手記を寄せた。全文は次の通り。 関連ニュース 神戸連続児童殺傷事件 加害男性両親、書面取材回答 「絶歌」に涙止まらず 神戸連続児童殺傷 加害男性が手紙、遺族「涙止まらず」 加害男性、事件と向き合い続けて 神戸連続児童殺傷、土師さん手記全文

 今年の5月24日がきますと、淳が私たちのもとからいなくなってから24年になります。24年という年月が経過しても、私たち家族の淳に対する想いは変わることはありません。
 加害男性からの手紙は、現時点では今年も届いていません。以前から言い続けていることですが、私たちは、何故、淳が命を奪われなければいけなかったのかという問題について、私たちが納得するような真の解答を求め続けています。そのためには、彼自身が事件に真摯に向き合う必要がありますが、手紙を書くという作業は、事件に向き合うための重要な手段であると考えています。私たちが手紙を受け取るかどうかとは関係なく、手紙を書いて欲しいと思っています。
 今年の6月で全国犯罪被害者の会(あすの会)が解散してから3年になります。あすの会は、その18年に及ぶ活動期間中に、犯罪被害者の置かれた環境を大きく改善しました。あすの会は、大きな幹の部分を作ることは出来たのではないかと思いますが、それでもまだまだ多くの問題点が残されています。あすの会解散後に、関西集会のメンバーを中心にして「つなぐ会」が設立されました。現在の所は新型コロナ感染症の影響で、十分な活動は出来ていませんが、あすの会の思いを引き継いで、他の団体とも協力しながら、私たちができる範囲内で被害者問題の改善に今後も努めていきたいと思います。
 令和3年5月24日 土師 守

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