予定以上の来院、毎日の問い合わせ電話…6割超「対応に苦慮」 ワクチン個別接種

2021/05/31 14:45

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 新型コロナウイルスのワクチン接種について、兵庫県内で開業する医療機関から「予定以上の人数が来院した」「毎日問い合わせの電話で診療に支障が出ている」などの悲鳴が上がっている。県保険医協会(神戸市中央区)のアンケートで判明。課題として、来院や電話による予約受け付けの混乱を挙げた割合も診療所で約6割、病院で6割超に上り、対応に苦慮する実態がうかがえる。 関連ニュース ノエビアスタジアムで大規模接種始まる 神戸で2カ所目 英アストラゼネカ製のワクチン活用を強く訴え 兵庫県の井戸敏三知事 新型コロナ 兵庫の開業医、半数以上がワクチンを疑問視 新型コロナ

 アンケートは5月17~21日、同協会が会員の診療所や病院の計5337カ所を対象に実施。518カ所から回答を得た。
 ワクチン接種について、診療所(歯科以外)では385カ所が回答。個別接種は6割弱が実施し、約半数は集団接種への協力や、個別と集団の両方への対応をするとした。また、病院32カ所の約9割が個別接種を担っていると答えた。
 各医療機関に課題を複数回答で問うと、来院や電話などによる予約受け付けの混乱が最多。ほかに、診療所では、キャンセルへの対応▽公的予約システムの混乱や機能不全▽副反応への対応-がいずれも4割以上を占めた。
 政府が特例的に歯科医師による接種を認めたことについては、回答した歯科診療所101カ所のうち6割超が賛成。これまでに1割超が集団接種に協力し、半数以上は今後要請があれば行う意向という。
 一方で「医療事故があったら誰が責任をとるのか」という不安の声もあった。(井川朋宏)

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