動線徹底管理、交流行事縮小 五輪合宿受け入れの6市
2021/06/13 11:09
3カ国の代表選手が事前合宿で使う予定のプール=尼崎市扇町、尼崎スポーツの森
新型コロナウイルスの収束が見通せず、東京五輪開催を疑問視する声が出る中、兵庫県内で行われる事前合宿。海外から選手を受け入れる6市は、感染対策や交流行事の見直しなど最終準備に追われている。
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各市とも政府などのルールに基づき、新型コロナの感染防止策を徹底する。
豊岡市で練習するドイツとスイスのボートの選手は同市城崎町、城崎温泉のホテルに泊まる。一般客と違う動線で専用エレベーターを利用。2国で市立城崎ボートセンターのトレーニングマシンも使い分ける。
尼崎市には競泳、アーティスティックスイミングの選手が滞在するが、同じくホテルでは動線の管理を徹底。姫路市もフランス柔道の選手に同様に対応する。
いずれの市でも、選手の行動は宿泊先と練習場所との往復にほぼ限定。神戸市は、そうした制限について事前同意を得た上で、体操のフランス代表を迎える。
選手の歓迎・交流行事についても、各市は大幅な見直しを余儀なくされた。
尼崎市は小学生対象の水泳教室を企画していたが、練習の見学に変更した。神戸、姫路市も同じ方針。姫路市は、世界文化遺産・国宝姫路城などの観光や歓迎パーティーを企画していたが、取りやめた。内閣府に選手団の行動計画を提出しなくてはならないなど規制が厳しいためだという。
フランスの陸上選手が7月に練習で利用する三木市は、8月にパラリンピック陸上の同国選手も受け入れ予定。市の担当者は「7月の対応を参考にパラの対応を考えたい」とする。
一方で「せっかく来てもらえるならオンラインでの交流など歓迎の方法を考えたい」と豊岡市の担当者。2015年から事前合宿の誘致を進めてきたという姫路市の担当者も「ようやくここまできた、というのが率直な思い。選手団がリラックスできるような取り組みを考えたい」と話す。(石川 翠、井上 駿、竹本拓也、篠原拓真)