肥満、視力低下…4割超が悪影響 新型コロナ下の子どもの健康

2021/06/17 09:52

神戸新聞NEXT

 長引く新型コロナウイルス感染拡大下の生活によって、肥満になったり、視力が低下したりする児童生徒が増加-。兵庫県保険医協会(神戸市中央区)が県内の小中高校、特別支援学校に向けたアンケートで、こうした実態が浮かび上がった。回答した128校のうち半数弱の学校が、健康に悪影響があったとしており、休校や外出自粛による生活の変化が要因とみられる。(井川朋宏) 関連ニュース ネットで小学生がトラブル 長時間利用で2・5倍に 尼崎市教委調査 園児のピアス、母国の風習でも駄目? 理解得られず入園辞退 授業中に徘徊、教師を罵倒… 荒れる子どもら「学級崩壊」

 同協会が2月20日~3月15日、県内の小中高校・特別支援学校の1398校を対象に調査。1割弱の128校から回答があった。
 結果によると、コロナ禍で健康への影響があったとした学校は4割超の57校。特に小学校では半数を超える29校に上った。さらに具体的な項目(複数回答可)を問うと、「肥満」「視力低下」の児童生徒が増えた学校が各23校で、いずれも約4割を占めた。ほかに、保健室に登校する児童生徒の増加が1割台の8校、虫歯の増加も約1割の6校あった。
 生活リズムが崩れた結果、食事量が増えたり、運動不足になったりしたとみられる。「ゲームやスマートフォンを使う時間が増え、夜更かしする児童が多くみられた」、「不登校の生徒が増えた」などの具体例が挙がった。
 また、健康診断後に受診が必要だった児童生徒のうち、未受診だった割合は、耳鼻科や歯科など各分野で前回調査の2018年より増え、おおむね5~6割台に上った。未受診の理由は「新型コロナによる受診控え」が全体の4割超を占め、「保護者の理解不足」も約4割だった。
 同協会は「コロナ禍で体だけでなく心の問題もみられた。受診控えにより、疾病悪化のほか、中長期的な健康への悪影響が懸念される」とし、医療機関への受診を呼び掛けている。
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