近くて遠い五輪 フェンス越しにスマホやカメラ

2021/08/04 13:00

液晶の中に浮かび上がるスタジアム。すぐ目の前の舞台が遠い=東京都新宿区

 東京五輪の陸上競技が開催されている国立競技場。周辺はフェンスなどで封鎖され、各地から派遣された警察官がたたずんでいる。その一方で、真横に立つ五輪マークのモニュメント前では、日が暮れても記念撮影の行列が絶えない。 関連ニュース 現場で見られない寂しさも 詩の自宅で抱き合った阿部家族「思い届いたと思う」 阿部兄妹の父・浩二さん「僕らは毎日、幸せをもらっている」金メダリストの家族物語 五輪競泳・ジェイ・リザーランド選手が「銀」 尼崎の祖父母感無量 親類ら抱き合い喜ぶ

 スタジアムからはカクテル光線と、選手か関係者か、無観客ながらかすかな歓声が漏れる。周辺道路は封鎖されているが、入れ代わり立ち代わり、フェンス越しのスタジアムにスマホやカメラをかざす人がいた。
 家族で記念撮影をしていた女性(43)に声をかけてみた。「アテネも現地で観戦したくらい五輪は楽しみだった。せめて気分だけでもと思って。でも緊急事態宣言下だからまずいんですよね」と気まずそうに去って行った。(中西幸大)
【五輪特集ページ】東京五輪2020

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