酒類提供禁止を拡大 兵庫県のまん延防止、但馬以外の36市町に 緊急事態の要請は見送り

2021/08/12 21:28

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 兵庫県は12日、新型コロナウイルスの新たな感染者数が過去最多の728人に上ったと発表した。これまで最多の629人(4月24日)を大幅に上回った。県は同日に対策本部会議を開き、国の「まん延防止等重点措置」の措置区域の拡大を決定。神戸、姫路市、阪神地域など県内15市町で行っている酒類提供の禁止要請を、但馬地域を除く36市町に広げる。期間は16~31日までの16日間。 関連ニュース 「今は県民に響かない」斎藤・兵庫県知事、緊急事態宣言の要請見送り 【詳報】兵庫で過去最多728人感染 病床使用率も52・3%に 新型コロナ 一言で言うと若い世代が多く、高齢者が一握り 保健所長が説明するコロナ「第5波」

 現時点での緊急事態宣言の発令要請は見送った。斎藤元彦知事は会議後の会見で「まずは足元の医療提供体制を強化することが重要だ」と説明。ただ、感染の急拡大が続く恐れが高いこことから、宣言発令の時期や適切な措置内容について国と協議していくという。
 措置区域は神戸市と阪神・播磨・丹波・淡路地域の計36市町に広げる。「第5波」の感染爆発が起きる中、但馬地域を除く地域で人口10万人当たりの感染者数が大幅に増加。感染状況を示す指標のステージ4(爆発的感染拡大)に達した地域がほとんどで、県は対策強化に踏み切った。
 但馬の5市町(豊岡、養父、朝来市、香美、新温泉町)では午後9時までの時短営業、酒類提供は午後8時までの要請を続ける。
 県によると12日午前0時時点の病床使用率は52・3%、重症病床の使用率は26・0%。宿泊療養施設では46・2%に上る。斎藤知事は「ここ数日だけで逼迫の度合いは増している」と強調。現状を県の警戒指標で最高レベルの「拡大特別期」に設定し、確保している全1237病床(重症者用142床)を最大限運用できるよう医療機関に要請していく。
 10施設計1475室ある宿泊療養施設については、医師を派遣する施設を現在の3施設から増やす方向で調整。無症状・軽症患者の割合が増加傾向にあるため、新たな療養施設を8月中にも確保する考えだ。
 また、酒類提供禁止要請の影響で売り上げが減少している酒類販売業者に支給する国の支援金を巡り、県は金額を上乗せするなど独自支援の拡充を決めた。
(金 旻革)

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