神戸市「シティー・ループ」運行の外郭団体解散へ 行革推進で大なた振るう 地下鉄駅業務を含め民間へ委託
2021/08/19 06:00
神戸市内の観光地を巡る路線バス「シティー・ループ」=神戸市中央区北野町2
神戸市が、駅ビル経営や観光バス「シティー・ループ」の運行などを担う外郭団体「神戸交通振興」を来春にも解散させることが18日、関係者への取材で分かった。駅ビルの運営は別の外郭団体に一元化し、シティー・ループなど路線バスの運行や地下鉄の駅業務は民間に託す。時代や環境の変化に伴い、市が重視してきた団体の在り方に大なたを振るう一端とみられる。
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市は昨年9月、行財政運営の方向性を示した「行財政改革方針2025」を策定。現在31ある外郭団体の運営の効率化を図るため、役割の見直しや業務の集約、経営体質の改善について検討している。今月上旬には、庁内の各局長らでつくる「外郭団体マネジメント推進本部」も立ち上げた。
まちづくり関連の外郭団体は現在、神戸交通振興が名谷や西神中央など市営地下鉄各駅の駅ビルを管理。一方、近接する商業施設は別の外郭団体「OMこうべ」が運営する。より一体的にまちづくりを進めるため、事業を見直すべきだとの声が上がっていた。
神戸交通振興は来年4月ごろに解散予定。駅ビルなどの管理運営をOMこうべに一元化し、シティー・ループなど路線バスの運行や地下鉄の駅業務などは民間に移す。神戸交通振興には非正規も含めて約350人の社員がいるが、OMこうべや民間の委託先に雇用の継続を求めるという。
また、OMこうべと神戸すまいまちづくり公社の重複する機能を統合し、まちづくりと住宅政策にそれぞれ特化した新たな2団体に再編する方針。戦略的にまちづくりを進めるため、不動産に関する情報を調査・収集し、資産活用の支援など経営管理を担う関連団体を新設する。(三島大一郎)