移ろう季節、秋の野草ナンバンギセル見頃　加古川

　秋の訪れを告げる野草のナンバンギセルが、兵庫県加古川市八幡町のため池周辺で見頃を迎えている。薄紅色の花がススキの根元でひっそりと咲いている。 関連ニュース 夏の夜の“開花ショー”　オオマツヨイグサ、三田で見頃 来年もいい花咲いてね　三木のアジサイ園で「花摘み」 チューリップの次はヒマワリ　但東を彩る５０万本

　ハマウツボ科の一年草で、西洋人のパイプに似ている花の形がその名の由来。葉緑素がなく、ススキやミョウガなどの根に寄生して育つ。うつむき加減に咲く様子が思案しているようにも見え、万葉集で「思ひ草」と詠まれている。
　東播地域で３０年以上、草花の観察を続ける女性（７４）＝同県稲美町＝は今月下旬、加古川市や稲美町にある、ため池の土手で群生を見つけた。「咲いているのを確認できたのは十数年ぶり。８月中旬の多雨の影響で咲いたのかも」と話していた。（辰巳直之）