コンビニに押されてきた自販機 利便性見直され新たな需要も
2021/09/22 11:45
採れたてのイチゴを入れた自販機。2月~5月初旬ごろにのみ販売する=小野市広渡町(わさび提供)
日本自動販売システム機械工業会(東京)によると、自動販売機は2000年には全国で560万台以上に上ったが、20年には404万5800台と、20年間で150万台以上が消えた。半数以上を占める飲料自販機がコンビニの普及に伴い、撤去されたことが大きいという。
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理由は他にも。同工業会の恒川元三専務理事は「かつては、たばこを自販機で買い、隣の自販機でコーヒーも買う一種のビジネスモデルがあった」と話す。ところが、08年、たばこの自販機に成人識別装置の設置が義務化され、台数が減少。飲料自販機も、そのあおりを受けた。さらに、コンビニ各社がレジ横で入れ立てのコーヒーを提供するサービスも広がり、自販機離れに拍車がかかった。
しかし、かつては“目の敵”だったコンビニが、最近は人手不足の深刻化で、夜間は自販機のみで商品を売る例も。全国の道の駅や商業施設では、「急に必要になった時、必要な分だけ買えて便利」と、おむつや液体ミルクなどの自販機設置が進むなど、新たな需要も生まれている。(藤森恵一郎)