明石のタコ釣り遊漁船60隻、営業を休止 来年4月まで 深刻な不漁で漁師も禁漁を決定

2021/09/22 21:27

兵庫・播磨灘で釣り上げられたマダコ(明石市内の遊漁船業者提供)

 兵庫・播磨灘のマダコの不漁を受け、明石市内の5漁協に所属する遊漁船業者は22日までに、タコ釣りの営業を来年4月末まで休止することを決めた。不漁の原因は依然不明だが、関係者は「タコ釣りを楽しむための資源回復策で、釣り客も理解してほしい」と呼び掛けている。 関連ニュース 釣り客増で「タコ」争奪戦? 海の栄養不足も一因か 播磨灘で史上最悪の不漁 レジャー化する密漁「自然のもの取って何が悪い?」 海水浴客がサザエやアワビ狙い 今年は断念…子持ちダコの放流 記録的不漁で確保困難 播磨灘漁師ら来年の漁獲量に不安

 タコ釣り船の運航を休止するのは、5漁協でつくる同市漁業協同組合連合会(市漁連)の遊漁船部会。約40業者(約60隻)が昨春、マダコの保護などを目的に創設し、産卵期の昨年9月中旬~10月末にタコ釣りの営業を休んだ。
 しかし、今年1~8月の漁獲量は前年同期の2割近くにまで激減。産卵期だけでなく、水温の低下で成長が鈍る冬のタコ釣りも休業することにした。他の魚介については通常営業する。
 市漁連はマダコの保護を強化するため、播磨灘で営業する他の遊漁船やプレジャーボートで釣りを楽しむ人たちにも、同様の自粛を呼び掛けるという。
 一方、明石-高砂の4市町にある9漁協の漁師らは、沿岸6区域=地図=で1~7カ月間、マダコを自主的に禁漁することを決めた。不漁が顕在化した2018年から取り組むが、一部区域で従来より禁漁期間を延ばした。
 9漁協は今回と同じ区域で昨年まで、秋に抱卵ダコを放流し、漁を自粛してきた。今年は不漁で抱卵ダコも確保できず、放流を断念したため禁漁は不可欠と判断した。釣り客にも協力を求める。(山路 進)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ