経済
今年は断念…子持ちダコの放流 記録的不漁で確保困難 播磨灘漁師ら来年の漁獲量に不安
兵庫・播磨灘のマダコが極度の不漁に陥っている問題で、地元漁師らが資源量回復のために昨年まで3年間続けてきた親ダコの放流を断念したことが分かった。不漁により放流用のタコも確保できないためで、漁師らは「来年どうなるのか」と危機感を募らせる。(山路 進)
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放流は明石-高砂の4市町にある9漁協の漁師でつくる「東播磨底曳(そこびき)網漁業協議会」(255隻)が、低水温で不漁だった2018年から実施。明石で水揚げされたマダコのうち、卵を抱いた母ダコを選別し、9月中旬以降、計270~440キログラムを海に放してきた。さらに稚ダコを保護するため、その後、周辺海域で最長7カ月間禁漁してきた。
関係者によると、今年は漁獲不振の影響で抱卵した母ダコも激減。確保できた量はわずか数キログラムだったという。当初は15日から今月末ごろにかけて放流する予定だったが、断念した。同協議会の竹本義美会長(63)は「まさか放流できないほど少ないとは。自然に増えるのを期待するしかない」と話す。
冬の異常な低水温で記録的な不漁となった1963年と84年には、熊本・天草地方からそれぞれ約10トンのマダコを購入し放流した。しかし、兵庫県水産技術センターは「違う海のタコを入れると、タコの質が変わる可能性がある」と指摘している。
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